エキドナとステラの思惑を考察【アニメリゼロ2期前半クール】
リゼロ2期の前半クール、物凄い散らかりようでしたねぇ。
強欲の魔女エキドナ、嫉妬の魔女ステラ、僕の嫁ミネルヴァを含む大罪の魔女全員が勢揃いしたお茶会、強欲の使徒ガーフィールと聖域に加えて多兎、腸狩りのエルザに魔獣使いメィリィ、さらにはロズワールの裏切り。忘れちゃいけない暴食の大罪司教に強欲の大罪司教まで。
胃もたれしそうなメンツが次々に登場して解決の糸口もないまま前半クール終了。
ただ、第12話「 魔女たちの茶会 」と第13話「 泣きたくなる音 」で明らかになったエキドナとステラの思惑と立ち位置の違いがなかなか面白かった。
ある意味エキドナは正しく強欲だったし、ステラは正しく嫉妬したんだな、と。
思惑を伏せて契約しようとしたエキドナ
結果的にスバルはその手を取りませんでしたが、エキドナはスバルの死に戻りデスマラソンに協力するので、正式に契約を結ぼうと申し出ました。
強欲の魔女との正式な契約、それを君と僕とで交わさないか?(エキドナ)
交わしたとして、なにがある?(スバル)
今後、君がどうしようもない障害にぶつかったとき、君が自分の罪に潰されそうなとき、僕がそれを支えよう。僕は知識量には自信がある。大概の問題には対処法を用意できるはずだし、なにより君の死に戻りを、僕は共有できる。(エキドナ)
Re:ゼロから始める異世界生活 アニメ2期第12話 魔女たちのお茶会より
©長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活2製作委員会
これまで孤独に死に戻りをし、何度も精神を病みかけたスバルにはあまりに美味しい契約内容と言えます。
エキドナの好意から出た破格の申し出と思える契約内容に、スバルも一度はその手をとりかけるのですが……
乱入する魔女たち
スバルが契約のためエキドナの掌に手を伸ばしかけたところで、憤怒の魔女と色欲の魔女にして我が嫁たち、第二夫人ミネルヴァ&第三夫人カーミラが乱入。
二人の言い分は「 エキドナは嘘は言っていないけど、対価について正確に言ってはいない 」として契約に待ったをかけます。
で、エキドナが契約の対価として提示したのがこれ。
君が感じたものを、君が思ったことを、君の心に残るものを、君が知る未来を、君がなすなにかを、君から生まれる可能性を、君という存在から派生していく、未知という果実を、僕に味あわせて欲しい。(エキドナ)
一見、対価といえるほどの対価でもありません。スバルからなにか差し出すわけでもなく、契約内容を履行していれば自然とエキドナはスバルの経験を共有していくわけですから。
彼女らの言葉に耳を貸すのはやめてくれ、ナツキ・スバル。君が僕と契約した暁には、僕は必ずや君を君の望む未来へと連れていく。(エキドナ)
しかし、さらに現れた怠惰の魔女セクメトが核心に触れます。
「最後には」って枕詞が必ずつく約束さね。(セクメト)
Re:ゼロから始める異世界生活 アニメ2期第12話 魔女たちのお茶会より
©長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活2製作委員会
望む未来が叶った瞬間が契約の最後なんだからそりゃあそうだろ、とも思えるところ。しかしこれを機にスバルも契約に尻込みし始めます。
私もはじめはエキドナと同じく、スバルが「 なにを問題にしているのかわからない 」と思っていたのですが……
魔女は魔女、サイコパスが露呈したエキドナ
スバルが問題にしたのは、エキドナが他人の感情や痛みを全く顧みない点。
実際、エキドナが雑に結んだ「 その人 」が現れるまで禁書庫を守る契約によりベアトリックスは400年間もひたすら待ち続け、自身の死すら願うようになっています。
それをどう思うか問われても、エキドナはただ好奇心を満たす結果のひとつとして「 すばらしい 」と答えるだけ。ここでスバルもエキドナとの契約が危ういものと実感。
これ、下手をすればスバルもただ好奇心を満たすための道具として利用されてしまう。
エキドナは最善の結果を得ることは約束しても、スバルの「 最善の道のりか? 」との問いには答えません。
ここでエキドナが対価として求めたものをもう一度振り返ってみましょう。
君が知る未来を、君がなすなにかを、君から生まれる可能性を、君という存在から派生していく、未知という果実を、僕に味あわせて欲しい。
Re:ゼロから始める異世界生活 アニメ2期第12話 魔女たちのお茶会より
©長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活2製作委員会
エキドナの望みはスバルの死に戻りを通じてあらゆる選択肢をとり、その結果生まれる人々の感情や状況をすべて確認すること。起こりうるすべての未来を確認したい。それこそが知識を旨とする探究者としての望みです。
おそらく、その選択肢にはエミリアを含め多くの人々の死などスバルが望まない事態が含まれています。もちろんスバルは反対するでしょうが、スバルの精神状況をうまく操って隙あらばそもそも数回のお茶会を通じて契約への誘導できたんだから、それぐらいお茶の子さいさいです。
多分エキドナちゃんはゲームデバッガーとしては超一流でしょうが、その代償に毎度殺されるスバルはたまったものではありません。しかしスバルが何回死にどれほど苦しもうがエキドナがなにも感じないのはベアトリックスの例を見れば明らか。
エキドナの唯一の気がかりはスバルが精神崩壊すること。だから、そうならないように必要なら叱咤でも憎しみでも何でも与えるし、エキドナの身体を慰みに使っても構わない、ってわけです。
エキドナが都合のいい女として尽くしてくれるのは魅力的です。が、唯一死に戻りを知る相手が隙あらば自分を利用しようとして来るのは孤独とはまた別種の地獄。
しかも、ここまでエキドナは、聖域の試練も含めあらゆる事態を利用して「 私はスバルの苦しみを共有できるし好意もあるから、破格の条件で契約を結んであげるんだよ 」という姿勢を見せてきました。
しかし実際には「 死に戻りでやり直しが利く道具 」を手に入れるべく立ち回っていたのです。さすがは魔女。見事すぎるミスリードです。
スバル第一のステラ
スバルがエキドナとの契約を断り、今後も孤独に死に戻りデスマラソンをしようと決心したところで、嫉妬の魔女ステラがお茶会に乱入。
また「 愛してる 」連呼かと思いきや、意外や意外。「 もっと自分を愛して欲しい 」と、スバルが自身を犠牲にする死に戻りを反対。
「 私を殺しに来てね 」とも発言しておりスバルに殺してもらうことも目的ではありそうです。
が、いずれにせよ、ステラがスバルに死に戻りの権能を与えたのは、単純にスバルが死なずに生き残って欲しかったからなのは間違いなさそう。スバルに対する態度はかなり切迫しており、エキドナのように策略を巡らせている素振りもありませんし、死に戻りによってスバルが苦しむことが本望出ないのは本音でしょう。
なのに、スバルのアホは逆に死に戻りの能力を他人のためにフル活用して精神ボロボロ。しかも助けた相手は主にステラのそっくりさんであるエミリア。その過程で我が第一夫人万能メイド レムやら禁書庫のロリババア ベアトリックスやら幼女メイド ペトラやらといちゃいちゃしてる。
挙句、ドナ茶なる体液まで飲んで強欲の使徒になるしエキドナには騙されて契約寸前だし、ここから先もさらに死にまくる前提だわ。
こんなん、嫉妬の魔女でなくても嫉妬するでしょ?
謎だらけのステラだけど
お茶会に現れるまでステラはリゼロにおけるラスボス候補でした。
伝説が伝える悪評。嫉妬の魔女を崇拝する魔女教徒の性質。初登場で聖域をまるっと飲み込んだ悪行。どこからどう考えても最強最悪の敵、のはずだったのですが。
それがどうやら、ちょっとメンヘラの気はあれどエキドナのように深謀遠慮はなく、ただスバルが大好き+スバルに殺して欲しい。これだけが行動原理のよう。
これ、必ずしもすべての魔女を取り込んで世界を滅ぼした嫉妬の魔女=ステラではないんじゃないだろうかと。ステラが世界を滅ぼしかけた嫉妬の魔女なのは間違いないとしても、なんらかの理由によって本人の意思とは別にやってしまったのではないでしょうか。狂気に走ったとか操られてしまったとか、世界を救うためにはそうせざるを得なかったとか。もしくはそもそも世界を滅ぼしかけたのはステラではないとか。
いずれにしても、伝説上の嫉妬の魔女ステラ像には何かしらの誤解があるように思えます。でもなければ、嫉妬の魔女に取り込まれたとされる魔女の一人、憤怒の魔女ミネルヴァが「 なにより、この子があまりに報われない 」なんてステラを慮る言い方はしないでしょう。
いずれにせよ、今後のリゼロにおいて嫉妬の魔女ステラへの見方は変えざるを得ないようです。
まとめ:アニメリゼロ2期前半のエキドナとステラの思惑を考察
- エキドナが提案した破格の契約はミスリードで、死に戻りスバルをデスマラソン用具として利用したかった
- ステラは本気でスバルが好きなだけで、死んで欲しくないために死に戻りの権能を与えたっぽい
- なのにバルスは死に戻りをフル活用して自分を犠牲にしながら女の子たちといちゃこいちゃう
- ステラ心配なんだからね!
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