原作ファンが語るアニメ十二国記【観るべき? 面白い?】
約18年ぶりの長編新作で盛り上がる十二国記。シリーズ初作品である魔性の子が発売されてからすでに28年。
そんな十二国記シリーズも実は一度アニメ化されています。ちゃっかりBlu-ray BOXも出てる。買うなら北米版の方が安いけど。
本記事では「 読書趣味はないけど十二国記気になるからアニメを観ようか迷ってる 」「 原作は読んだけどアニメはまだ観てない 」方向けにお送りします。
物語そのもののネタバレはないので、アニメのみならず原作未読の方もお気軽にお読みください。
結論:観てよし、っていうか観ましょう!
- キャラ作画が少し古いけど、絵自体はすごくキレイ。
- 挿絵もなかったキャラでも顔と声がつく。声優が豪華。
- オリジナルキャラは賛否あるけど、映像化では正解かと。
- エンディング曲が神。
- 東洋ファンタジーが観たいだけならアニメ精霊の守り人の方がいいかも。
原作を知っていて観ようか迷っているも原作未読の方も、とりあえず観てみてください。身も蓋もない話、受け付けるか否かなんて1話観ればわかります。
さすがにキャラの絵柄は少し古め。
放送されたのが地デジ化がはじまる直前ごろ、2002年から2003年にかけてのアニメなのでどうしても多少の古さは否めません。ただ、作画自体はとてもキレイで安定感があります。アニメとしてのクオリティはいま観てもさほど違和感を覚えないクオリティ。その辺はさすがはNHK。
時期的に近いアニメを挙げれば、機動戦士ガンダムSEEDとほぼ同時期に放送されました。古いといってもそんなものです。
近頃の「 なんだこれ劇場版か? 」よってって超絶クオリティなアニメと比べるのは辛いにしても、よほどアニメに目の肥えた方でもなければ問題なく観られるかと思います。
シリーズの構成とか雰囲気はなんとなく大河ドラマっぽい仕立て。小説・文章ではなく、アニメ映像ならではの組み立て方も面白い。
説明も親切で原作を知らずアニメで初見の方でも世界観に没入しやすいはずです。その辺りはさすがNHK。
Blu-ray Boxも出たしDVDなどのレンタルもありますけど、実はhuluでも配信されています。huluユーザーの方はぜひぜひぜひぜひご覧になってみてください。
ちなみにエンディングが本当に素晴らしい神曲。1話で切るって方でも最後まで観てほしい。なんならエンディングまで飛ばして聴いていただきたい。
オープニング曲は映像もとてもいい。原作を知る方なら誰でも「 うわー! うわー! 」と思うはず。私はうひゃーってなった。
原作では姿がわからなかった人々の顔が!
原作から入ったみなさんは「 あー、こいつこんな顔してたのかぁ 」なんて楽しみ方もできます。
一応、くくりとしてはライトノベルとしてスタートした十二国記にはところどころ挿絵があり、そこで姿のわかるキャラクターも多くいます。
が、当然全員が全員描かれるわけはなく、ほとんどのキャラクターは普通の小説と同じく読み手が想像するしかありません。
しかしアニメ十二国記ならどのキャラクターだって登場さえすれば顔が描かれるのです!
残念ながらキャラデザ自体は原作挿絵を担当した山田章博さんではないですけど、原案として参加しているのでイメージとかけ離れてる、ってことはそうないはず。
あと、当然ながら声優さんもつくので、「 泰麒ってこんな声だったのか! 」といった楽しみ方も。
ちなみに声優陣はかなり豪華。
セーラーマーキュリー役の久川綾さん、∀ガンダムでラスボスギム・ギンガナムを務めた子安武人さん、ワンピース ウソップ役の山口勝平さん、SSS.GRIDMAN アンチ役の鈴村健一さん、ツンデレ役の釘宮理恵さん、etc.
etcでまとめるのも申し訳ないレベルの豪華な声優陣。
ただ、アニメ十二国記で釘宮理恵さんが演じるキャラはツンデレではありません。悪しからず。
一部アニメ オリジナルキャラクターや原作にない展開が
ここ原作を知る方への鬼門。アニメ十二国記には一部や原作にない展開やオリジナルキャラクターの登場があるのです。
特に陽子関連のアニメオリジナルキャラは賛否両論あります。私としては世界観がわかりやすくなるうえに人間関係によりドラマ性が深まるいい策だったと思う。
節々でスタッフの熱量と原作への愛が節々から感じられるのもとてもいいです。アニメ制作において設定がはっきりわからない部分や未登場の固有名詞・設定は原作者である小野不由美さんにお伺いを立てているそうで基本的な設定は共有されています。
おかげでアニメでしかわからなかった設定もあるんですよね。たとえばほとんど登場していない舜国の氏号が徇であること、麒麟がオスの徇麒であることなど。
アニメならではのオリジナルなシーンもとてもいいです。本来会ったことのないキャラクター同士の絡みが観られたり。
ただ、やはりオリジナルキャラが登場した点や脚本を作った段階で黄昏の岸 暁の天が発売されていなかったことから原作とは相いれない矛盾点があります。
どうしても耐えられない方は……
もし最近のアニメに目が肥えすぎて観るのが辛い方、十二国記にこだわらず東洋ファンタジーアニメが観たい方はアニメ 精霊の守り人の方がオススメです。
まったく別の作品ではありますけど、こちらも十二国記と同じく小説原作をNHKが手がけたアニメ作品。2006年頃に放送されました。
しかしクオリティは2000年代とは思えないレベル。十二国記と比べると悲しいかな、たった3年でここまで差が出るかってほど違います。
で、十二国記は原作読んで楽しみましょう。
すでに原作は読破済みでアニメ版が受け付けなかった方は、私と一緒にお祈りください。再アニメ化、特に図南の翼のアニメ化を。
ちなみにアニメ精霊の守り人はAmazonプライムビデオで無料で観れます。こちらも面白いので、十二国記関係なくプライム会員の方はぜひ。
まとめ:原作ファンが語るアニメ
- 作画は多少古いが、アニメとしてのクオリティはいまでも普通に観られるレベル。
- アニメオリジナル展開もあるので、原作好きな方も楽しめるはず。
- とはいえ基本は原作に忠実で、原作未読の方でも十二分に十二国記を楽しめる。
内容については触れませんでしたが、私個人の想いとしてなるべく前情報なしでお読みいただきたいんです。十二国記シリーズの物語の構造上、可能な限り知識がない状態で飛び込んだ方がより作品を楽しめます。
Episode1である月の影 影の海を読み終わるまでは公式ページすらご覧になられない方がいいと思う。特に世界観とかキャラクター紹介のページはネタバレの宝庫。危険。
世界観に関しては原作のどの章から読んでもある程度意味がわかるくらい、本編のあちこちでさり気なくいろいろ解説してくれます。新鮮な気持ちで初読するためにもあまり理解せずに飛び込む方がオススメです。
ディスカッション
コメント一覧
アニメ版。會川さんの脚色は時にいらんことしいと思わせる部分もありましたが、「風の万里~」はまだ折に触れて見ます。祥瓊はもう少し見たかったかなあ。「偲芳歌」がかなり好き。慶での3人娘は見たかった。
あ。決して桑島さんが好きだからということじゃなくげほげほ(トアが好きだったからとかなんてないんだからねっ[墓穴]
※ハガレンでは原作者の逆鱗に触れたかほぼ原作通りのを再作成しましたね。。
>慶での3人娘は見たかった。
そこで日常アニメ化ですよ!
で、年一のげきじょうb
私は桑島さんといえば同時期の深夜アニメでやってたあずまんが大王の神楽のイメージが強いですね。推しは大阪さんですけど。
>ハガレンでは原作者の逆鱗に触れたかほぼ原作通りのを再作成
※私の記憶だしどこで聞いた話かも憶えてないので正しいか不明ですけど
たしかハガレンのアニメって、最初のアニメが原作を追い抜くのがわかっていたので、アニメ制作陣は荒川弘さんにまだまだ先になるはずの原作の結末を聞いたうえで、あえて引き延ばしはせずオリジナルストーリーを展開したんだった気がします。で、原作終了後に改めて原作通りのアニメを作り直した。なので多分荒川弘さんが怒ったとかではないと思います。
私は最初のアニメ、かなり好きでした。特にホムンクルスの設定が結構エグくて。
返信ありがとうございます。
原作そのまんまだったらアニメより原作見ますねえ。といいつつ風の万里~は両方結構見ます。
風の~で會川さん降板したあと一気に尻すぼみになってしまってがっかりでした。何も陽子出して回想にする必要なんてないじゃない。。。というのがみてみた実感。でした。
なおハガレンはオリジナルはオリジナルで大事にしてますが、會川さんのアレも好き。というパラレルワールドです。
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