膵臓よりカニ雑炊が食べたい – 実写版映画 君の膵臓を食べたい
すごーくいまさらなのですが、『 君の膵臓を食べたい 』を鑑賞。小栗旬さん・浜辺美波さん主演の実写版映画です。
当初、タイトルでホラー映画かと思って観てなかったんですよね。
大体なんだ君の膵臓を食べたいって。怖いわ。
膵臓なんかより雑炊の方が食べたい。
あと、私自身がこういった恋愛映画にはちょっとしたトラウマがあって避けていたのもあるのですが。
※ネタバレなしレビューなので、まだ君の膵臓を食べたいをご覧になっていない方も気軽にどうぞ。
君の膵臓は食べない
まず、劇中で膵臓は食べません。あとカニ雑炊も出てきません。
とはいえ、もちろん膵臓が関係しています。カニ雑炊は関係ない。
映画 君の膵臓を食べたいのあらすじがこちら。
志賀春樹は、友人や恋人を必要とせず、小説に閉じこもった人間関係の希薄な高校生活を送っていた。
彼は偶然からクラスの人気者 山内桜良が膵臓に病を抱えていることを知る。
余命いくばくもない桜良は、図書委員として図書館の蔵書分類をしていた春樹を手伝い、同時に自身の『 死ぬまでにやりたいこと 』に巻き込む。
春樹は天真爛漫な桜良に振り回されながら、少しずつ距離を縮め、人として成長していく、が……
そして12年後。自身が卒業した高校で教師として勤める春樹は、閉館が決まった図書館で桜良とともに過ごした時間を思い出していた。
安直に恋愛ものといえないテーマ
あなたの心中を言い当てましょう。「 ああ、よくあるヒロイン重病ものか 」「 どうせヒロイン死んで終わるお涙ものでしょ 」。
その辺りは否定しません。
『 君の膵臓を食べたい 』は乱暴に分類すればよくあるヒロイン重病もの。『 世界の中心で愛を叫ぶ 』系の映画です。
ただ、本作にはただの恋愛もので終わらない、死生観もテーマのひとつとしてはらんでいます。
日常に突き刺さる死生観
『 君の膵臓を食べたい 』はただ恋愛ものとか青春ものと安直に分類されて終わりな映画ではありません。
遅かれ早かれ確定している死に対してどう生きるか、生と死そのものをテーマとしてはらんでいるのです。
特に桜良の死生観が的を射ていてハッとさせられる場面が多い。
私も君も、もしかしたら明日死ぬかもしれないのにさ。そういう意味では私も君も変わんないよ、きっと。一日の価値は全部一緒なんだから、何をしたかの差なんかで私の今日の価値は変わらない。私は今日、楽しかったよ。
君の膵臓を食べたい より。
「 残り少ない貴重な時間なのだから、もっと有意義に使った方がいい 」と言った春樹の言葉に対する桜良の返答です。
そう、必ずしもその寿命を全うできるわけではない点では、健康な人も余命宣告をされた病人も変わらない。
一日価値は誰でも同じ。ハッとさせられるひとことです。
twitterでは4コマ漫画『 100日後に死ぬワニ 』が話題になっていますけれど、私たちが必ずしも100日後、ワニの死に立ち会えるとは限らないのです。
テーマを台無しにしかねない浜辺美波さんの魅力
なんて小難しい話はおいといて。実写版映画『 君の膵臓を食べたい 』の最大の魅力は浜辺美波さんにあります。
もっと直球的にいえば、浜辺美波さんの顔面にある。
いやもちろん顔だけでないんですが。
とにかく浜辺美波さんが演じる桜良がカワイイ。むしろ桜良を演じる浜辺美波さんがカワイイ。
突然カニバリズムに目覚めて膵臓食べたくなるぐらいカワイイ。
儚い笑顔からこぼれる八重歯で私の膵臓をかみちぎって欲しいぐらいカワイイ。
映画『 君の膵臓を食べたい 』を観ずに浜辺美波は語れません。
なんていままで浜辺美波さん出演の作品はドラマは『 崖っぷちホテル! 』しか観たことない私がマウントをとりたくなるぐらいカワイイ。
ちなみに浜辺美波さんは映画『 君の膵臓を食べたい 』で第41回日本アカデミー賞新人俳優賞ほか多くの新人賞を獲得。
足りないよね。日本アカデミー賞カワイイ賞もあげて欲しい。
ぶっちゃけ浜辺美波さん以外のキャストはどうでもいいと思っている私です。
が、高校時代の春樹役は北村匠海さん、12年後の大人春樹は小栗旬さんが演じていること。また、脇を支える北川景子さんと上地雄輔さんの存在。
などなど、無駄のないコンパクトな映画ながら、豪華キャストが出演していることはお伝えしておきます。
難しいテーマと浜辺美波さんの魅力抜きにして、本作『 君の膵臓を食べたい 』は恋愛もの・青春ものとしても見どころ多いとてもいい映画です。
正反対の2人、いわゆる陰キャな春樹と陽キャの桜良の邂逅。互いに憧れ惹かれながらもどかしい足踏みを続ける2人の関係性。一方的でも依存でもなく、ともに成長しあう2人の青春な物語。
ありがちなシチュエーションにさまざまな要素を詰め込んで、エモーショナルにうまく描いています。
なかなか決定的な進展を見せない2人の関係性と、迫りくるタイムリミットへのもどかしさ。それらがじりじりと心を焦がしてくる。
それでいて2人の儚くも微笑ましいやりとりには心のおじさんが止まらない。途中何度Blu-rayの再生を止めてもんどりうったことか。
住野よるさんの原作はもちろんのこと、監督の月川翔さんや脚本の吉田智子さんのお力あってのことでしょう。
深く考えず、心のデトックスで泣きたいとき、カップルで恋愛映画をみたいとき、カニ雑炊が食べたいときにもオススメな映画です。
トラウマとあとから知るアニメ劇場版
あなたの心中を言い当てましょう。ただ浜辺美波さんをほめちぎって終わりなレビューがあってたまるか!
言い訳させてください。
しかも私も男のはしくれですから、小栗旬さんとかイケメン観てると段々腹立ってくるんですよね。呪いたくなってしまう。
そのせいで映画そのものを正視できず、ただただ浜辺美波さんの笑顔とこぼれる八重歯をガン見してたんです。
浜辺美波さんのおかげでなんとか即死じゃなくて致命傷で済んだし、小栗旬さんを呪いたい気持ちをぐっとこらえることができました。
(小栗旬さん、浜辺美波さんはあなたの命の恩人ですよ)
で、あとから知ったんですけど、劇場版アニメとしてアニメ映画も制作されてたってオチ。
最初からそっちを観ておけば、小栗旬さんも呪われずに済んだのに。
まとめ:実写版映画 君の膵臓を食べたいレビュー
しつこいようですが、とにかく浜辺美波さんがカワイイ映画です。
儚くも明るい、明るいからこそ儚い桜良に浜辺美波さんの笑顔はハマり役ですね。
ここまでくるとカニバリズム猟奇殺人のそしりを覚悟で、浜辺美波さんの膵臓にかぶりつきたくなる。私こそ君の膵臓を食べたいよ全く。
膵臓はさすがに冗談としても、ぜひともカ浜辺美波さんが作るカニ雑炊食べてみたいと思った、そんな映画でした。ブヒブヒ。
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