The Elder考察:大塚監督引退のメタファー?【スター・ウォーズ:ビジョンズ】
日本のアニメスタジオがスター・ウォーズの短編アニメを作るアンソロジー企画、スター・ウォーズ:ビジョンズ。
みんな大好きトリガーは二本制作していて、The Elderを大塚雅彦さんが、THE TWINSを今石洋之さんが監督。
で、The Elderで監督業を引退する大津監督からトリガー、ひいては日本のアニメ業界へメッセージが込められているように思えまして。
大塚監督の去り際を死に様で描写
The Elderの内容を軽くおさらいすると、あるジェダイとパダワンが訪れた星で元シスの老人と出会って戦う、って話。スター・ウォーズをテーマとしたシンプルなストーリーラインです。
そんなシンプルで短いストーリーですが、テーマは「老いと衰え、新しい世代の台頭」のように思えます。
特に作中で強調されていたのが下記。
- 老人が強者との戦いを求めている
- 老人は元シス
- 老人が全盛期であったなら勝てなかった
これらがこんな具合のセリフで語られています。日本語版と日本語字幕からわかりやすい方を抜き出しています。
シス「もっと昔に、わしがこんなに老いぼれる前に会いたかったのう」
(中略)
マスター「かつてシスだったが離脱したのだろう」
(中略)
マスター「もし彼の全盛期に戦っていたとしたら、勝つのは難しかったはずだ」
マスター「彼は老いによる衰えに勝てなかったんだ。どんなに強い力でも、それが永久に続くことはない」
(中略)
マスター「私は衰えていく。お前はもっと強くなっていく。そうやって巡っていくのさ」
パダワン「強くなれますか?」
マスター「なれるともお前が訓練とその優しさを忘れなければな」
大塚監督の引退を意識した死に様?
燃え尽きてますね
本作The Elderは、大塚雅彦氏の最後の監督作と公言した作品です。その点で、作中のセリフが大塚監督の心の声のように思えるんですよね。
もっともっとアニメを創りたい、と思いながらも老いと衰えを感じる忸怩たる思い。
同時に台頭してきた新しい才能へのエール。そうしたメッセージがこめられているのえはないでしょうか。
ちなみにThe Elderではもう一つ、そうした大塚監督の心の内を示すかのような描写があります。
倒された元シスの死体も残らず、灰になって消えてしまいます。私にはこれが、大塚監督が灰になるほど燃え尽きた、というメッセージに思えてなりません。
あと、老人が元シスと設定されている点も大塚監督を示しているようにも。
大塚監督はもとはあのエヴァンゲリオンを制作したガイナックスに所属していた方でしたが、のちにトリガーを立ち上げたお方なんです。
特にあえてただのシスではなく元シス、としているあたりがそうした事情を暗示しているように思えます。
この解釈だとガイナックス=シス / ダークサイド、って失礼な話にも繋がるんですけど、ガイナックスさんもいろいろありましたから……
大塚監督が古巣にいろいろ思うところあったとしても、不思議はありません。
まとめ:スター・ウォーズ:ビジョンズ The Elderは大塚監督引退のメタファー?
もちろん全ては私のなので妄想で公式見解でもなんでもありません。
トリガーの代表取締役ですから、経営を専念するために監督はもうやらない! と宣言したってなにひとつ不思議はないですし、監督をやらない=引退とは限りません。もともと大塚さんは監督よりも演出やプロデューサーとしての参画の方が多い方ですし。
大塚監督が老いて衰えたとかガイナックスがシスとかとんだ言いがかりですよね。失礼な解釈で本当にすみません。いちアニメファンの勝手な妄想に基づく戯言なのでなので何卒お許しをば。
にしても、スター・ウォーズ:ビジョンズ、どの作品も「そのあと」がありそうな終わり方をしているのはとてもいい!
果てない銀河をめぐるアドベンチャー、これこそスター・ウォーズすよね。今回制作参加したスタジオはもちろん、ほかにも日本が誇るアニメスタジオはたくさんありますから、スター・ウォーズ:ビジョンズの続編、ぜひぜひやってほしいです!
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません
日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください(スパム対策)。