シン・エヴァ劇場版が無茶苦茶でも面白かったワケ

新劇場版の完結編となったシン・エヴァンゲリオン劇場版

観てからすでに結構経ちますが、ようやくテンションが落ち着き、感想(?)を書きたい気持ちになってきたので軽く吐き出します。

本記事はシン・エヴァ劇場版を含むエヴァンゲリオン作品のネタバレを含みます。ご注意ください。

Qとシン・エヴァ劇場版とで何が違ったんだろう

瞬間、トップをねらえ!

結論からいえば、私はQはあまり好きではなかったけれど、シン・エヴァ劇場版は素直に楽しめました。

エヴァっぽいいい意味でワケのわからなさ&アニメを逸脱した演出と、アニメ映画としてのエンターテイメント性が高い次元で両立された名作だと思います。

(あとからシン・エヴァ劇場版も結構叩かれてるって聞いてちょっと凹んでる)

ファンサービスも多かったし。ショッボいCG!?と思ったら特撮セットだったってオチは笑っちゃった。

いまさら言うのもなんですが、Qはあまり好きじゃなかったんですよね。

あれこれカッコつけた理由はおいといて、一番は「うわ、戦艦出てきた! こんなのエヴァじゃないやい!」ってとこ。

ヴンダーの存在が、私の思うエヴァンゲリオン観を崩しちゃったんです。

シン・エヴァ劇場版も無茶苦茶だけど

ただ、そういう意味ではQよりもシン・エヴァ劇場版の方が無茶苦茶なんですよね。ヴンダー姉妹艦同士による艦隊戦とか大量のエヴァ7号機とか新2号機ことフルーアーマー弐号機無双とか。

それでもシン・エヴァ劇場版は大丈夫だったのは、Q以降のエヴァンゲリオンは「トップをねらえ!」だと気づいたから。Q以降のエヴァンゲリオンはリアルロボット系じゃない。スーパーロボット系なのです。

もともとエヴァンゲリオンの世界観って独特なところもあるけれど、日本の風景に密接です。そういう意味でもリアルな世界観で、「エヴァはロボではなく人造人間」と言われたときもなおさらリアルだなぁと思った。戦いに二足歩行のロボなんてナンセンスですけど、デカイってだけで人間ならありだな、と。

そんなエヴァンゲリオンで、いくら14年の歳月が経ったとはいえ戦艦なんてものが出てくるのは納得がいかないんですよね。

でも、シン・エヴァ劇場版を観て気づいてしまった。

エヴァンゲリオンはQ以降、「トップをねらえ!」になっていたのです。

ママ、エヴァはトップをねらえ!だったのね!

シン・エヴァ劇場版の冒頭で登場した「パリカチコミ艦隊」。ネーミングセンスがトップをねらえ!の「銀河中心殴り込み艦隊」まんま。

観てない方もいるかもですけど、「トップをねらえ!」っていろいろ無茶苦茶なんです。まずスケールがバカバカしいほどに大きい。敵は太陽系外から襲来する数億、数兆規模の宇宙怪獣。

で、木星を丸ごと重力兵器に仕立てたブラックホール爆弾として銀河の中心にある宇宙怪獣の巣に殴り込みをかける、ってわけです。ほかにもメカで筋トレしたりいろいろ無茶苦茶。

なーんか似たような話だなって思った方は鋭い。天元突破グレンラガンやダーリン・イン・ザ・フランキス源流は同じです。そういう意味ではシン・エヴァ劇場版はトリガーにも近いノリともいえますね。

しかしいいのです。だってトップをねらえ!は庵野監督の初監督作なんだから。

シン・エヴァ劇場版は(新劇場版)エヴァンゲリオンの完結編であると同時に、庵野監督の原点回帰だったといえます。もうここまで来たら焼き払ってほしかった。なにをとは言わないけど。

実際私がそのことに気づいたのは、先行公開されたシン・エヴァ劇場版の冒頭12分10秒10コマで「パリカチコミ艦隊」の名を耳にしたとき。

それで前もって心づもりができ、シン・エヴァ劇場版はなにがあっても「トップをねらえ!なんだから」と無茶苦茶展開も楽しむことができたのです。

そこで私の中でQとシン・エヴァ劇場版での受け止め方に違いが出たのでしょう。

まとめ:シン・エヴァ劇場版が無茶苦茶でも面白かったワケ

  • シン・エヴァ劇場版で出た「パリカチコミ艦隊」が完全に「トップをねらえ!」のノリ
  • そう考えれば無茶苦茶すぎてエヴァらしくないと感じてもむしろ「それがいい」と思える
  • 考えてみればQからそういうことだったのかも。

気づいてしまえばあとは簡単。Qもシン・エヴァ劇場版もトップをねらえ!と同じノリで楽しめばいいのです。

毎週一体ずつやってくる敵をエヴァの力と人類の知恵で倒すウルトラマン的な展開は、シン・ウルトラマンを楽しみに待ちましょう。

ちなみに「焼きはらえ!」はアニメSHIROBAKOで観られます。