十二国記を読むオススメ順番【ネタバレなし】
2019年に最終巻が出ることで盛り上がりをみせている十二国記シリーズ。
しかしはみ出し者の魔性の子のために読む順番がちょっとややこしいんです。
十二国記を読む順番をネタバレなしで解説します。
一番のポイントは、Episode0の「 魔性の子 」を最初に読むか後回しにするか。
個人的には魔性の子自体は十二国記シリーズから作風がかけ離れているため、とっつきやすいよう後回しにする方がオススメですが……
オススメの読む順番
- 魔性の子(?)
- 月の影 影の海
- 風の海 迷宮の岸
- 東の海神 西の滄海
- 風の万里 黎明の空
- 丕緒の鳥(短編)
- 図南の翼
- 華胥の幽夢(短編)
- 黄昏の岸 暁の天
- 魔性の子(?)
- 白銀の墟 玄の月
基本的には上記の順番で読めばオッケー。現在出版されている新潮文庫の完全版にはEpisode○などと帯に書いてあってわかりやすいです。
ただ、Episode0扱いの魔性の子だけは順番が特殊です。魔性の子を一番最初に読むか、飛ばしてあとで読むかのどちらかになります。
そして最終的に出版社を移籍する形で新潮文庫から完全版が刊行されています。
その合間に短編集も刊行されているのですが、必ずしも刊行順と読む順番が一致しないのでご注意。この辺りの事情はWikipediaが詳しいです。
魔性の子は最初か、黄昏の岸 暁の天のあとに読む
結論からいえば、十二国記を試しに一巻読んでみよう、ってスタンスなら魔性の子は飛ばして月の影 影の海から読み始めましょう。
全巻借りたり大人買いで全巻読むと決めてかかるのであれば魔性の子から読み始めて月の影 影の海よむ順番をオススメします。
魔性の子自体には十二国記っぽさはほとんどありません。全く違う小説だけど実は十二国記と世界観を共有していて、十二国記のある登場人物のある時期の出来事が描かれた作品。
実のところファンタジー世界としての十二国記の本編ストーリーは月の影 影の海からスタート。なので、十二国記の世界観を覗いてみたいのであれば魔性の子は省いて月の影 影の海から読む順番がとっつきやすいです。
月の影 影の海から読み始めた場合、魔性の子は黄昏の岸 暁の天のあとに読めばちょうどいい感じ。
反対に魔性の子をさきに読んでおくと月の影 影の海以降読み進めることで「 なるほど、魔性の子はそういうことだったのか 」とだんだん理解していく楽しみを得ることができます。
なので、最初から全巻読むつもりで臨むのであれば魔性の子から読み始める順番がオススメです。
エゴとエゴがぶつかる複雑なファン心理
できれば魔性の子から読んでいただきたいのがファンとしての気持ち。十二国記を全く知らずに魔性の子を読むことで、得られるものがあります。
要は「 Episode1の月の影 影の海からではなく、Episode0の魔性の子から読み進めていくドキドキは二度と味わえないんだよ 」ってファンのエゴです。
ただこれ、「 景色がキレイだから! 」とスキー初心者をいきなり上級者コースに連れて行くようなもの。人によっては心が折れてしまうリスクがあります。
十二国記シリーズは自信をもってオススメできる作品なので、それはすごくもったいない。ファンとしても善意で魔性の子からの順番をオススメしているので、そこでの離脱は不本意です。
なので、魔性の子から読み始めてみて、もし合わないなぁ、と感じたら一旦閉じてあとまわしにすればいいかと。そしてEpisode1 月の影 影の海から読み進めて、Episode8 黄昏の岸 暁の天を読み終わったところで魔性の子を読むとベター。
忙しい人は本編6エピソードだけって手も
各エピソードの上下巻も含め、刊行数が多く長いながーい十二国記。
しかし、実は物語の本編となるのは下記6編のみ。
- Episode0:魔性の子
- Episode1:月の影 影の海
- Episode2:風の海 迷宮の岸
- Episode4:風の万里 黎明の空
- Episode8:黄昏の岸 暁の天
- Episode9:白銀の墟 玄の月
上記6エピソード以外は外伝的な扱いで、本編のストーリーを楽しむうえで必須の作品ではありません。なので、駆け足で十二国記のストーリーを把握したいって方は上記6巻だけ読むのでも可。
Episode0の魔性の子も長らく外伝的な扱いでしたが、ある事情によりいまや本編と同列に語っていい状況です。一応、読まなくても全体的なストーリーの把握には問題ありませんが、白銀の墟 玄の月を読む前には読んでおくことをオススメします。
東の海神 西の滄海と図南の翼は単独で完結するスピンオフ的な扱いなので、全体のストーリーを把握するには必須ではありません。
ただ、やはり全巻読んだ方が圧倒的に面白いことを自信を持って宣言します。短編集である丕緒の鳥と華胥の幽夢もあわせて、十二国記の登場人物や世界観への理解がより深まる作品です。
いろいろな視点から十二国世界が描かれており、全く新しいファンタジー世界を描く「 十二国記 」の特性上、世界観と魅力的なキャラクターたちの造り込みに触れるにはかなり大事。
特に私としては図南の翼がオススメ。一本のロードムービーとして超優秀なお話です。
残念ながら図南の翼はNHKでアニメ化された際に全く触れられていませんでしたけど、もうこれ一本だけでも劇場版アニメ化してほしいくらい。
黄昏の岸 暁の天を読む前に冬栄だけは…
本編だけ先に読む場合でも、短編集の華胥の幽夢に収録された冬栄だけは魔性の子や黄昏の岸 暁の天を読む前に読んでおくことをおすすめします。
ネタバレ回避のため細かい理由は申しません。が、短編なのでそう長くもありませんし、ぜひ。
冬栄を読むタイミング的にはEpisode2 風の海 迷宮の岸を読んだ直後がちょうどいいかも?
上記6巻先に読んだあとの外伝と短編集の順番
上記で挙げた本編6巻を先に読んだあと、残る4エピソードをどう読むか迷う方もいらっしゃるかと思います。
まず長編のEpisode3 東の海神 西の滄海とEpisode6 図南の翼を先に読むのがオススメ。この2冊は月の影 影の海を読んだあとであればどの順番でも大丈夫です。
短編集のEpisode5 丕緒の鳥は、丕緒の鳥は東の海神 西の滄海も含めてEpisode1 月の影 影の海~Episode4 風の万里 黎明の空まで読んだあとならいつでも大丈夫。
もう一冊の短編集 Episode7 の華胥の幽夢はEpisode1 月の影 影の海~Episode6 図南の翼まで全巻を読んでからお読みになることをオススメします。
まとめ:十二国記シリーズを読むオススメ順番
- 十二国記シリーズを読む順番は魔性の子から読み始めるか、月の影 影の海から読み始めるか。
- 魔性の子はほかとはジャンルも違うホラータッチの作品で毛色がかなり違うので、少しでも受け付けないようなら遠慮なく飛ばして大丈夫。
- 魔性の子を後回しにする場合、黄昏の岸 暁の天のあとがオススメ。
私としてもやはり魔性の子から読み始める順番がオススメですが、小野不由美さんはもともと屍鬼などホラーに定評のある作家さん。
魔性の子はかなり本格的なミステリーホラーなうえ、テーマがメタ的な意味でも重いです。特にファンタジー好きな読者の心を遠慮なく切り裂きにかかってくるので、気楽に読みたい方はやはり月の影 影の海からお読みになった方がいいでしょう。
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