ゴールドエクスペリエンスレクイエムのスタンド能力は一体なに?【ジョジョ5部】
矢によるレクイエム化で文字通り無敵となったジョルノのスタンド ゴールドエクスペリエンスレクイエム、通称GER。
読者が「 GER能力という真実 」にもたどり着けない能力もあるようで、かなり理解が大変……
なようで、意外と簡単なスタンド能力です。
GERのスタンド能力は「 結果にたどり着かせない 」
ゴールドエクスペリエンスもジョルノも説明が下手すぎて全然わかりません。まるで読者が真実にたどり着けないようにしているかのような。
実は簡単な話しで、真実を「 結果 」と言い換えれば肚落ちします。
実際、ゴールドエクスペリエンスレクイエムのスタンド能力は「 結果にたどり着かせない 」こと。
ゴールドエクスペリエンスレクイエムだけでなくジョルノも説明が下手クソだし描写もややこしくてわかりにくい。しかしスタンド能力としてのGERに焦点を当てればただこれだけのこと。劇中に起こったできごとはすべて応用です。
具体的に、作中で使われたGER能力は下記のふたつの能力。
- 時間を巻き戻すことによる自動防御
- 無限に繰り返される死を与える攻撃能力(拳で殴って発動?)
時間を巻き戻すことによる自動防御
ひとつめがジョルノが攻撃されたとき「 攻撃された 」結果にたどり着けないよう時間を巻き戻す能力です。どんな攻撃をしかけたところですべてが攻撃を開始する前に巻き戻されてしまいます。
自動的に発動する最強クラスの防御能力。ジョルノが「 攻撃された 」結果にたどりつけないので、必然的にジョルノが敵に攻撃を受けることはありません。
ちなみにこの能力を使ったとき、ゴールドエクスペリエンスレクイエムはこう語っています。
コレガ 『ゴールド・E・レクイエム』。
コノコトハワタシを操ルジョルノ・ジョバァーナさえも知ルコトハナイ
ジョルノ・ジョバァーナからすれば、知らないうちに自身を無敵の能力で守ってくれる最高のスタンドを手に入れたわけです。
無限に繰り返される死を与える
時間を巻き戻すのが防御能力に対し、もうひとつのGER能力は攻撃的なスタンド能力です。
死という結果にたどり着くことなく、「 死 」へ至る過程を永遠に繰り返す世界に閉じ込めること。
繰り返し繰り返し、死にたくなるほどの苦しさと死ぬほどの痛みを味わいながらも死ねない。苦痛が無限に続く無間地獄のようなもの。エグい。
まさに、終わりがないのが終わりのスタンド能力です。
推測ですが、これまでのゴールドエクスペリエンスの能力同様、対象を拳で殴る(手で触れる)ことで能力が発動する系統の能力なのでしょう。この能力が発現する直前、ボスはゴールドエクスペリエンスレクイエムによって無駄無駄されています。
ブチャラティに一度だけ使って以来、なかったことにされた初期ゴールドエクスペリエンスのスタンド能力「 殴った対象は感覚が暴走して身体から意識が飛び出る 」に近いような。アレもなかなか意味がわかりにくい能力でした。
ジョジョ5部のテーマに沿った能力
ジョジョ5部のテーマは過程 vs 結果です。
ボスを倒すために幹部になる「 過程 」で、殺されるはずだったトリッシュを見捨てられなかったブチャラティの精神は、まさしくなにより価値ある黄金の精神でした。
ほかにも作中のあらゆるところで過程を重視するブチャラティチームの黄金と例えられた精神が現れています。
過程というテーマがもっとも色濃くでているのが、アバッキオがメインのエピソード「 今にも落ちてきそうな空の下で 」です。
今にも落ちてきそうな空の下で
アバッキオは食事中、無数に散らばったビンの破片の中から犯人の指紋がついているかもしれない欠片を捜している警官をみかけます。
そんなことをしても指紋なんてないかもしれないのに、たとえ捕まえても有能な弁護士によって無罪放免にされるかもしれないのに。アバッキオは警官に、なぜそこまでして苦労を背負い込むのかと問います。
それに対する回答がコレ。
「そうだな…わたしは『結果』だけを求めてはいない
『結果』だけを求めていると人は近道したがるものだ…
近道した時、真実を見失うかもしれない
やる気も次第に失せていく」
「大切なのは真実に向かおうとする意志だと思っている
向かおうとする意志さえあればたとえ今回は犯人を逃したとしてもいつかは辿り着くだろう?
向かってるわけだからな。違うかい?」
実のところ、警官はアバッキオが警官だったころの相棒でした。汚職のために窮地にたったアバッキオをかばい銃弾を受けて命を落とした彼です。その彼が死んだアバッキオの前に現れ、君は立派にやったと称賛します。
ボスの正体を暴くために犠牲になったアバッキオはまさに、勝ち目もなく無駄かもしれない正義の過程を志した者だったのです。
そして過程を飛ばし自分にとって都合のいい結果だけを拾ってきた無敵のボスは、過程だけが繰り返され死という結果にたどり着けない無間地獄に閉じ込められることになります。
ゴールドエクスペリエンスレクイエムのスタンド能力は、まさしくブチャラティチームの精神そのもの。
志半ばにして斃れた仲間たちにとって、これ以上ないレクイエム(鎮魂歌)になったのでしょう。
オマケ
ちなみに、ゴールドエクスペリエンスはレクイエム化後もレクイエム化以前の能力、無機物に生命を与える能力も使えています。殴った相手の意識を暴走される能力……? うっ、頭が……
つまり、いままで通り仲間の回復が可能ってわけです。
ジョルノ自身はゴールドエクスペリエンスレクイエムの自動防御があるから怪我することはないにしても、ファミリーの仲間はそういうわけにもいきませんからね。
これで今後も安心して怪我できるよ! よかったねミスタ! いっぱいやさしくしてもらいな!!
ちなみにレクイエム化によってスタンドパワーも各段に上昇し、ボスですら未来予測ができるキングクリムゾンのエピタフなしでは反応できないかレベルまでスピードもパワーも向上。
敵の攻撃は受け付けないし一発殴った時点で勝ちなんだから、そんなにパワーが必要なのか怪しいけれど。
まとめ:ゴールドエクスペリエンスレクイエムのスタンド能力+オマケ
- ゴールドエクスペリエンスレクイエムのスタンド能力は「 結果にたどり着かせない 」ことの応用。
- 敵がジョルノに攻撃を仕掛けた場合、自動的に「 攻撃した 」結果にたどり着けない時を巻き戻される。
- ゴールドエクスペリエンスレクイエムの攻撃を受けたボスは「 死 」という結果にたどり着けず、無限に「 死 」への過程だけを繰り返すことになった。
なんとも描写がわかりにくいGER能力と、同じくわかりにくいキングクリムゾンの時間を吹き飛ばすスタンド能力。さらにワケわからないシルバーチャリオッツのレクイエム能力。あまりにアクロバットすぎる矢の奪い合い。
これらがごちゃごちゃしてるせいでわかりにくいですが、意外とシンプルなんですよね。
ちなみに最後まで読んだけどやっぱわかんなかったってあなた、多分GERに殴られてますね。
アナタが理解トイウ真実ニダトリ着クコトハ決シテナイ! アリーヴェデルチ。
ディスカッション
コメント一覧
グレートな解説ありがとうございました.
少しはGERの能力を理解したように思います.
こんな無敵のGERでも,ケープカナベラルから遠く離れていてはメイド・イン・ヘブンには無力だったようで…
メイド・イン・ヘブンは作中最強スタンド能力なんて言われてますもんね。スタープラチナが勝てなかったんだからDIOのザ・ワールドでも勝てないでしょうし。
ウェザーとかグレイトフルデッドみたいな能力は天敵ですけど、メイド・イン・ヘブンは全宇宙を能力対象なんだからプッチ神父が逃げに徹したらどうにもならない気がします。
>こんな無敵のGERでも,ケープカナベラルから遠く離れていてはメイド・イン・ヘブンには無力
私の個人的な考察ですけど、これは単純にGERが攻撃だと認識しなかったように思うんですよね。
例えばジョルノが足を滑らせて崖からダイブ → 死ぬ結果があっても、地球がジョルノに体当たり攻撃したってことでないのでGERが動かないみたいな。
極端な話、ジョルノに向かって核ミサイル撃ったらGERが巻き戻してくれるけど、世界中の国々が勝手に核ミサイル撃ち合って
「199X年、世界は核の炎に包まれた! 海は枯れ、地は裂け、全ての生物が死滅した! 人類も全滅だ!」みたいなことになってもGERは反応しないと思うんです。
その点メイド・イン・ヘブンは時を加速させるだけで攻撃ではないので反応しない、みたいな。
巻き戻し系ならエピタフの「キンクリがジョルノの腹を突き破る」っていう予知が絶対実現するはずなのにどうしてやられてたんですかね?
意訳
動くな! 言葉警察だ!
さぁ、なんででしょうねえ。
過労だからですかねえ(正直よくわかってない)。
単純に能力が矛盾する場合、スタンドパワーとか精神力が強い方が勝つって話じゃないですかね?
ジョルノのGERもザ・ワールド・オーバーヘブンの攻撃は受けてたし。
自分の理論として、矢が与える能力は「無限∞」の力だと考えてます。効果として、〇(まる)やウロボロス円環のように感覚的には前方に(未来に)進んでいるように感じるが、実際は時間をループして過去に戻る流れに変化させる効果を持っているのではないかと考察しています。(巻き戻しと当サイトは書いていますがそう知覚しただけ)
吹っ飛ばした時間のなかに別のディアボロが複数存在した理由がこれではないかと。(ボスがそれを認識できたのはキンクリのおかげだと思います。)
質問の回答「予知が絶対実現するはずなのにどうしてやられてたんですかね?」ですが「矢の能力でGERが予知を受け流した」が私の答えです。私の理論上、GERが「キンクリがジョルノの腹を突き破る」という予知の後の時間の流れの末尾を「攻撃を行う前の地点」につけたので「初めから何も動いていない!?」という黄金体験をボスは経験したのでしょう。
別サイトさんはGERの能力を『動作や意思の力をゼロに戻す』という表現して、その能力で「予知をなかったことにした」と書いてました。(こっちのほうが分かりやすかった)
(初めて自分の理論というか仮説を元に論述しているので、論理的にあの現象を説明できていないかもしれません。筋道を通すの難しい…。この理論がGERの真実かどうかはわからないですがもっともらしい理由にはなったんじゃないかな?)
GERは結果に到達させず、結果までの過程の段階でゼロに戻すという能力なのは同感ですが原理が違うと思います。キング・クリムゾンは時間を消し飛ばし、結果だけを残しますがその結果までの過程を自由に行動することができる能力なので例の場面は過程の間ということになります。そして、時飛ばしによって得られる結果に到達しようとした時にゼロに戻されます。つまり、GERは相手の動作によって得られる結果に到達させず、それまでの過程に干渉し0に戻す能力かと思われます。何が言いたいかと言うと、決して時間の逆行によるものでは無いことです。キング・クリムゾンにより時間そのものが消し飛ばされているので巻き戻すための『時間』という概念が時飛ばし中は無いわけなので。
時間の逆行がないって、それだと逆再生されるシーンの説明がつかないのでは?
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