〈氷菓〉関谷純の生死考察と、古典部シリーズ今後の展開予測

2023年1月12日

古典部シリーズの第一巻、氷菓事件の鍵を握る関谷純。千反田えるのおじにして、伝統ある古典部の大先輩でもあります。

作中では失踪したまま死亡した扱いとなりますが、実際に関谷純は死んでしまったのか、はたまた生きているのか

私、気になります!

妄想と願望混じりの説なので、話半分の半分ぐらいでざっと読み流していただければ。

なお、本記事はネタバレありです。特にシリーズ第一巻にあたる「 氷菓 」を中心に全体的なネタバレを含んでいます。最低でも原作第一巻 氷菓、あるいはアニメ第5話 歴史ある古典部の真実までご覧にいることを前提にしているのでご注意ください。

氷菓事件の真相をざっくり振り返り

まず関谷純をめぐる氷菓事件のエピソードをざっくり振り返り。

古典部の文集「 氷菓 」と関谷純をめぐる事件は、折木奉太郎や姪の千反田えるが神山高校へ入学する33年前に起こっています(※アニメでは放映時期の関係で45年前に改変されている)。

その年、学校・教師側は文化祭の規模を縮小し、例年の5日から2日に短縮させたうえ、平日ではなく週末開催するとの決定を学生へ通達します。しかし当時娯楽もなく毎年の文化祭を楽しみにしていた学生側はこれに憤慨、反対運動を実施しました。

学生らの猛反対により学校側は6月には文化祭規模縮小を撤回。学生側は平年通り5日開催を勝ち得ています。

そして悲劇の「 氷菓 」

しかし、文化祭規模縮小反対派のキャンプファイヤーが原因とみられるボヤ騒ぎにより、校内施設である格技場が半壊。

文化祭が終わりほとぼりの覚めたころになって、名目上では反対運動のリーダーだった関谷純が責任を問われ退学処分に。

関谷純は声をあげず学校を去ることになりましたが、やはり本人にとっては不本意だったのでしょう。

自身が所属していた古典部の文集のタイトルを半ば強引に氷菓と命名しました。

作中で奉太郎が解き明かした通り、氷菓の意は「 i Scream 」。その想いに反し、彼は英雄に祭り上げられ、その後 神山高校の文化祭は関谷をもじって「 カンヤ祭 」と呼ばれるようになります。

そして、千反田えるが知りたかった幼いころの自分が泣いてしまった理由を思い出すのです。

「そうです、強くなれといったんです。もし私が弱かったら、悲鳴も、そう、悲鳴も上げられなくなる日が来るって。そうなったら私は生きたまま……」
「わたしは生きたまま死ぬのが怖くて泣いたんです」

古典部シリーズ 第一巻 氷菓より

古典部シリーズの今後の展開予測:関谷純は生きている?

そもそも千反田えるが関谷純と自身が忘れていた関谷純の言葉を思い出したいと願ったのは、関谷純の言葉を思い出したうえで送り出したいと思ったことがきっかけ。

関谷純の失踪から間もなく7年が経ち、法的に死亡したものとして葬式を執り行われることになっていたのです。

前置きが長くなりましたが、ここから関谷純の生死考察&古典部展開の予測。

私の考えですが、関谷純はまだ生きていて、今後古典部シリーズに登場するのではないかと予想しています。

率直に申し上げて根拠は薄いですが、まだ伏線・フラグとなる要素として下記が残っています。

  • 関谷純も関わった古典部の文集「 氷菓 」第一巻だけは見つからなかった
  • 物語の冒頭、折木奉太郎の姉 供恵がいたのがインド=関谷純を捜索していた?

とはいえ、文集「 氷菓 」第一巻が見つからなかったのは物語を盛り上げるための演出で、供恵もたまたまインドに立ち寄っただけだった、といわれればそれまで。

ただ、それではあまりに悲しいではありませんか。

生きたまま死ぬのが怖くて泣いた幼き日の千反田えると、あやさずに放置した関谷純。

その関谷純自身が失踪宣告により死亡したものとみなされてしまう。

もしまだ彼が生きているとすれば、まさしく「 生きたまま死んだ 」ことになってしまう。

古典部シリーズのテーマと今後

関谷純の生死はともかく、古典部シリーズとしては「 自身の才能を見つけ、認め、仕えていくこと 」がテーマになっているように読み解けます。

もちろん、シリーズ全体のフックとなっているのは主人公 折木奉太郎とヒロイン 千反田えるとの関係性。魅力的なキャラクター同士が惹かれあっていくさまを見るのはとても楽しいものです。

しかし同時に「 愚者のエンドロール 」、「 わたしたちの伝説の一冊 」では諸先輩の言葉として、自身の才能を自覚し認めることの重要性にくわえ、才能に仕えるべきであると語られています。

そんな状況で、自身にこれといった才能を見つけられないまま、自身がやりたいこともないまま、「 いまさら翼といわれて 」しまった千反田える。

そして、千反田えるととりまく古典部の面々、自身の才能を自覚しつつある折木奉太郎と第一人者であることをあきらめた福部里志と、自身の才能のもと目標を決めた伊原摩耶花。

1年時とはまた違う状況におかれた古典部の4人が、2年目にしてどのような文集「 氷菓 」をつむぐのか。

私、気になります!