映画・アニメの「戦犯」まとめてみた【やっちまった特集】

2019年9月26日

物語には主人公やライバルのほかに、舞台回しやいろいろな役割が存在しています。

そしていろいろなキャラクターを応援する私たち読者、鑑賞者にとってはとてもイヤな存在ながらも、物語を大きく動かすために欠かせないのが「 戦犯 」の存在です。

今回は映画・アニメにおける戦犯をまとめてみました。

映画・アニメ戦犯物語

落ち込む男性イメージ

やっちまった……後悔先立たずな戦犯たち。

本来戦犯とは本来、戦争中に国際法を犯すなど人道に外れることをした「 戦争犯罪者 」の略。

しかい、本記事では俗にいう「 負けたのはお前のせいだぞ! 」のお前を意味します。

アパム

出演作品:映画プライベートライアン

一時はネットのAAでネタにされて有名になった「 アパーム!弾!弾持ってこいアパム! 」の元ネタアパム伍長

ラストのラメル橋防衛戦では機関銃で敵を掃射するライベン、メリッシュらに弾を補給する役割を担っていました。

が、弾を取りに行ったアパムは戦闘のどさくさのためになかなか戻れず。

「 アパム、早く弾持って来い! 」と叫ぶ二人。ビビって動けないアパム。

ようやく戻れそうになったところで、敵のドイツ兵がライベンとメリッシュのいる建物に入っていくところを目撃。

本来なら二人を守るためアパムが後ろから追いかけて(どうせ弾持って行かないとだし)撃つべきシーンですが、アパムはビビって動けず……

アパムはもともと戦闘要員ではなく特殊技能兵。もとより地図作成や情報処理を担当しており、実戦経験はほぼなく人を撃ったこともありませんでした。

アパムの経験のなさは隊のみなも理解しており、そのためラメル橋防衛戦では直接戦闘要員ではなく弾の補給係に選ばれたわけですが……

ジェリド・メサ

出演作品:アニメ機動戦士Zガンダム

私が思う全時間軸・全宇宙における最大の戦犯。それがZガンダム出演のジェリド・メサ中尉

Zガンダム第一話で主人公カミーユの名前をからかった一言、「 なんだ男か 」。たったこの一言でティターンズは壊滅することに。

激昂したカミーユはジェリドを殴ったがためにティターンズに拘束され、そこから偶然が重なってエゥーゴに参加することになります。

カミーユはニュータイプとして覚醒し出会ったティターンズを片っ端から殲滅。

ジェリド自身も、相棒で親友のカクリコン、師匠的女性 ライラ・ミラ・ライラ、ジェリドを献身的に支えた女性マウアー・ファラオをカミーユに殺されることに。

最期にはジェリド自身もカミーユに「 動きすぎ&戦場ではしゃぎすぎ 」と断じられ撃墜、戦死します。

なんとも哀れですが、すべては本人の心ない言葉が生んだ自業自得。

彼のひとことがなければ、敵エゥーゴに超絶エースパイロット カミーユ・ビダンが生まれることも、残存するガンダムMk-2を3機とも奪われることも、優秀なパイロット エマ・シーンがティターンズを裏切ることもなかった。

エゥーゴはジェリド・メサに勲章くらいやってもいいのでは。

ベジータ

出演作品:アニメ ドラゴンボールZ

誇り高きサイヤ人の王子、ベジータ。彼もなかなかの戦犯です。ちなみにベジータのフルネームはベジータ四世。

セル編で「 完全体になれさえすればぁ~! 」とのたまうセルの挑発にのったがために、完全体セルが生まれることに。

しかもベジータ自身は完全体のセルどころかセルの分身セルジュニアと渡り合うのがやっと。その尻ぬぐいをしたのはライバル孫悟空の息子、孫悟飯。

少しは学習するかと思いきやベジータ王子のアホさ加減は変わらず、後年ブウ編では悟空との決着をつけたいがためにブウ復活の原因も作っています。

ベジータに限らずサイヤ人どもはあれやこれやとやらかしまくり。孫悟飯も完全体セルを圧倒しておきながら、調子に乗ってトドメを刺さなかったがために孫悟空が命をもってそのツケを払うことに。

巻き添えで界王様とバブルス(猿)とグレゴリー(虫)までも犠牲になりました。

その孫悟空もブウ編ではスーパーサイヤ人3で勝てるはずの勝負を捨てブウを見逃したため、人類ごと地球が消滅させられることになっています。

やらかしているのはサイヤ人だけではありません。

クリリンはセルの完全体化を防ぐために作られた人造人間18号を自爆スイッチを持ち、射程圏内まで接近。

しかしなにをトチ狂ったかクリリンは自爆スイッチを破壊し、18号を見逃します。ここで18号を破壊できていればセルが完全体となることはなかったのですが。

惚れた弱みで全人類を危機に陥れ、自分はちゃっかり18号を嫁に。とんだ色ボケ野郎。

ドラゴンボールの面白さはたくさんの戦犯によって支えられている?

スター・ロード(ピーター・クイル)

出演作品:映画アベンジャーズ3 インフィニティ・ウォー

アベンジャーズ3 サノスからインフィニティ・ストーンを取り上げる寸前まで追い詰めた仲間たちの奮闘を、パンチ一発で台無しにしたクソ野郎 ピーター・クイル

しかもその戦犯パンチはあと数センチでインフィニティ・ガントレットがサノスの手から外れるってタイミング。

いやバカかよ。あと3秒待てよ。ガントレット外してから好きなだけぶん殴れよ。

原因は仲間であり恋仲だったガモーラをサノスに殺された私怨。

その恨みが軽いとは言いませんが、以前ガモーラはクイルに「 もし自分がサノスに連れ去られそうになったら殺してほしい 」と頼んでおり、すでに死ぬ覚悟はできていました。

実際、クイルはガモーラが連れ去られる際に彼女の頭に向かって銃の引き金を引いています(サノスに阻止されたけど)。

戦犯パンチが原因でサノスに対峙したアイアンマンらは敗北。死人が出る事態になりました。

ちなみに死人の規模はキッチリ全宇宙の生物の半分。

イキリアホのパンチ一発のために全宇宙の半分の生物が消え去ったのです。

突然にして全宇宙の生物が半分消えたのですから、実際にはもっと多くの命が奪われたことでしょう。

クソ戦犯野郎ピーター・クイルにも顔面パンチをお見舞いしてやりたいところですが、彼自身も指パッチンで消えてしまった。怒りをぶつけることもできないやるせなさ。

アルビオン隊

出演作品:アニメ機動戦士ガンダム 0083 Stardust Memory

ガトーらデラーズフリートに強奪されたガンダム試作2号機を追い奮闘するも、星の屑作戦を阻止できず完遂されてしまう無念のアルビオン隊。

しかし、実はアルビオン隊が余計なことをしなければ星の屑作戦は早い段階で鎮圧され、コロニーが地球に落ちることも観艦式に参加した連邦軍艦隊の大半が消滅させられることもなかったのです。

物語の中盤、消えた2号機を追って地球から宇宙へ進出したアルビオン隊は、偶然にも遊軍である連邦軍艦隊旗艦バーミンガムと敵組織デラーズフリートに加担するシーマ艦隊に出くわします。

当然のごとくバーミンガムの援護に向かうアルビオン。しかし実のところこれは連邦軍大将ワイアットと、デラーズフリートを裏切る気だったシーマとの密会現場でした。

ワイアット大将はシーマから星の屑作戦の全貌が記された極秘資料を受け取る予定だったのが、空気を読めないアルビオン隊が現れたために密会がパア。

偶然からアルビオン隊のベテランパイロット バニング大尉がこの極秘資料を回収するファインプレーをみせるも、その直後に損傷していた機体が爆散。

観艦式を控え多忙なワイアットと、すでに星の屑作戦の全貌が記された機密資料が連邦に渡ったと思い込んだシーマの両者に再度の密会の機会はないまま、星の屑作戦が決行されます。

そしてデラーズフリートに翻弄された連邦軍は、なす術なく艦隊の3分の2を航行不能にされ、地球の穀倉地帯にはコロニーを落とされる大被害を被ることになりました。

0083において最大の戦犯行為といえます。

そもそも、連邦軍大将が座乗する艦隊旗艦で観艦式の主役となるバーミンガムが護衛艦もなく暗礁宙域で敵と接触している不自然な状況を鉢合わせれば、普通はなにかを感じとれるはずです。

しかしこれに疑問も持たず、まっすぐに救援に向かってしまうアルビオン隊の空気の読めなさ。

0083最終話のサブタイトルは駆け抜ける嵐。嵐のように戦場をひっかき回しまくったアルビオン隊こそ連邦軍にとっては一番の天災だったのでは。

腐敗した連邦軍? わからず屋のワイアット大将?劇中のアルビオン隊は連邦軍のなかでも政治的に立場の弱いグループでつまはじきもの。

まともな援護もなく試作2号機の追跡をさせられています。そのあたりの描写ではまるでワイアット大将や連邦軍上層部が悪いかのように描かれていますが……

そもそも、アルビオンおよびコウ・ウラキらトリントン基地の面々は、まんまと敵に潜入され核ごとガンダム試作2号機を強奪されたアホども。

その後もガンダム試作2号機の宇宙打ち上げにあと一歩のところまで迫りながら阻止できず、また宇宙に上がってからは捜索中にシーマ艦隊によって僚艦を全滅させられるなど、無能ぶりを晒しまくっています。

さらにはワイアット大将の密会を邪魔したうえ、私情から命令を無視しガンダム試作3号機を強奪する形で出撃。

そこまでやった挙句、大した戦果もあげられずデラーズフリートに星の屑作戦は完遂される始末。アルビオンの連中は戦術的にも戦略的にも本当に無茶苦茶なんです。

味方についたシーマ隊の旗艦とシーマ本人撃墜するアホもいるし。これぞ戦犯。無能な働き者はなんとやらです。

ジャー・ジャー・ビンクス

出演作品:映画スター・ウォーズ EP1~3

スター・ウォーズシリーズ屈指の嫌われもの、ジャー・ジャー・ビンクス。

2000年の第20回ゴールデンラズベリー賞では最低助演男優賞を受賞し、スター・ウォーズファンからのあまりにひどいバッシングに演じた役者さんが自殺を考えたほどの嫌われっぷりです。

彼が嫌われているのにはしゃべり方やキャラの問題もありますが、やはり劇中でやらかした戦犯行為が大きな原因

戦犯ジャー・ジャー・ビンクスとしての最大のやらかしは、パルパティーン議長に非常時大権を与える動議を出したことです(スターウォーズ エピソード2)。

詳細は省きますが、ジャー・ジャー・ビンクスはパルパティーン議長の言葉巧みな誘導に操られ彼に非常時大権を渡すべきと演説。

その実、パルパティーン議長こそが黒幕、のちの皇帝となるダース・シディアスとも知らずに。

そして非常時大権を手にしたのちの皇帝、パルパティーン議長=ダース・シディアスはクローン軍を創設。ドロイド軍を擁する通商連合との戦争が本格化します。

激化した戦争によりジェダイの騎士らはシスにつけいるスキを与え、壊滅することに。

身を隠していたパドメは無理にしたって、動議を出す前に誰かアミダラ議員に近しい議員に相談していれば……

映画で語られなかったジャー・ジャーのその後ジャー・ジャー・ビンクスはエピソード3でアミダラ議員の葬式に参列したのち、しばらくはそのままシディアスに近しい議員として活動(辺境の星に派遣された模様)。

そして帝国建国の際に共和国議会解体されるまでは議員を務めたとか。

さらにその後については、エピソード6以降を描いた小説Aftermath: Empire’s Endで語られています。

年老いた彼は故郷の水中都市オート・グンガからも再度追放され、ナブーの首都シードで子どもたちを相手に大道芸人として活動。無邪気な子もどたちには大人気ですが、ジャー・ジャー・ビンクスの失敗と素性を知る大人たちは彼のことを完全に無視しています。

率直なところ、見るからに政治家としての適性が皆無なジャー・ジャー・ビンクスを議員とし、代理に立てたのが無茶だったのでは。

そんなことやっといて自分は若い男と休暇を楽しんだパドメが一番の戦犯な気もしなくもない。けど、ナタリー・ポートマンかわいいから許す。

まとめ:映画・アニメの「 戦犯 」はまだまだたくさんいる!

考えれば考えるほど戦犯って多いものですね。やっぱり物語を動かすには「 やらかす 」ヤツがいないといけないのでしょうけども。

個人的にはやはりZガンダムのジェリド・メサが一番の戦犯かなと。

あんな何気ない(悪気はある)一言で自軍を敗北に追い込むなんてなかなかできるものじゃありません。

「 ダチ公! 」「 自分の女!(×2) 」を殺され、自軍が負けることになるなんて普通考えないじゃん……? ってところでは同情の余地もなくはありませんけど……