アニメ攻殻機動隊のオススメ観る順番と作品一覧まとめ

2019年8月29日

SF作品としての緻密すぎるほど緻密な設定の練り込みや独特の映像美で人気の攻殻機動隊

その直接説明しすぎないスタイルのとっつきにくさも魅力のひとつですが、かといって作品を観る順番とかまでわかりにくいのはちょっと考え物ですよね。

知る人ぞ知るいぶし銀なの魅力もありますが、攻殻機動隊仲間が増えないのもさみしいのでアニメ版攻殻機動隊の作品一覧と、はじめての方が観るのにオススメな順番を解説します。

攻殻機動隊シリーズ一覧

多すぎてよくわからない? 攻殻機動隊を観る順番

アニメ版攻殻機動隊にはたくさんの作品がありワケがわかりません。ナンバリングもまともにされてないし、タイトルに「 攻殻機動隊 」って入ってない作品もあるし。

実は、そもそも攻殻機動隊の各シリーズごとにつながりがありません

世界観と主人公 草薙素子や公安9課など主要な登場人物の設定は共有していますが、パラレルワールドのような扱いでぞれぞれストーリーが違います。なのでシリーズ内の順番さえ間違えなければどれから観はじめても問題なし。

攻殻機動隊シリーズを大きく分けると下記3つのシリーズに分けることができます。

  • GHOST IN THE SHELLシリーズ:劇場版2作
  • STAND ALONE COMPLEXシリーズ(SAC):テレビアニメ2期、テレビアニメ総集編2作、劇場版1作
  • ARISEシリーズ:劇場版4部作、テレビアニメ1期、劇場版1作

逆にいえば観たいシリーズだけ観て、あとは観ないのでもオッケー。

※一般的にGHOST IN THE SHELLシリーズなどと区分けはされていませんが、本記事ではご紹介する便宜上GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊と続編イノセンスをGHOST IN THE SHELLシリーズとして扱っています。

オススメ順番

  • STAND ALONE COMPLEXシリーズ(SAC)
  • ARISEシリーズ
  • GHOST IN THE SHELLシリーズ

まずSTAND ALONE COMPLEXシリーズ(SAC)から観ることをオススメします。理由は単純。STAND ALONE COMPLEXシリーズが一番とっつきやすいから。

公開順でいえばGHOST IN THE SHELLシリーズのGHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊が一番ですが、GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊も続編のイノセンスも超わかりにくい作品です。予備知識があっても意味不明すぎて眠くなるレベル。

なので、攻殻機動隊をはじめて観る方は比較的とっつきやすく万人向け(?)なSTAND ALONE COMPLEXから観始めることをオススメしています。

実際、一番多くの人に人気があるのもSTAND ALONE COMPLEX。攻殻機動隊のすそ野を大きく広げてくれた作品で、入門にはピッタリ。飛ばしたGHOST IN THE SHELLはSTAND ALONE COMPLEXシリーズを観たあとでもいいですし、さらに最後回しでARISEを観たあとでもいいでしょう。

以下、各シリーズごとの作品を観る順番と見どころをネタバレしない程度でご紹介。

SAC STAND ALONE COMPLEX シリーズを観る順番

原作マンガ、GHOST IN THE SHELLシリーズに続き第三の攻殻機動隊と呼ばれるシリーズです。先述の通り攻殻機動隊においては比較的わかりやすいので、最初に観るならまずコレ。

シリーズ構成は下記の通り。

  • 攻殻機動隊 S.A.C.(アニメ1期)
  • 攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG(アニメ2期)
  • 攻殻機動隊 S.A.C. Solid State Society(劇場版アニメ)

原作マンガやGHOST IN THE SHELLシリーズは人形使い事件を中心に描かれていますが、「 人形使い事件に遭遇しなかった 」草薙素子と公安9課を描くifストーリーです。

なにがいいってタチコマがめちゃくちゃカワイイ。メインヒロインはタチコマといっても過言ではないくらいカワイイ。超癒される。家に欲しい。

攻殻機動隊 S.A.C.(アニメ1期)

笑い男事件を中心にした全26話のテレビアニメ。26話すべてで笑い男事件を描くわけではなく、ところどころ笑い男事件とは関係ない1話完結の回が挟み込まれる構成。

草薙素子ら公安9課は、人々の電脳&目というカメラと記憶をリアルタイムでハッキングし、さまざまな事件を引き起こす天才ハッカー「 笑い男 」を追います。

各話のサブタイトルの背景色で笑い男事件関連の回か1話完結の回がわかるようになっており、笑い男関連はサブタイトルの背景が色青で、1話完結の番外編は背景が緑。

SAC1期を160分にまとめた総集編「 攻殻機動隊 S.A.C. The Laughing Man 」もあるので、お忙しい方はコチラを。

攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG(アニメ2期)

一期の続編。個別の11人事件を中心にしたシリーズ構成。1期と同じく本筋とは関係ない1話完結の回も多くあり、サブタイトルの背景色から個別の11人事件の回か1話完結の番外編かがわかります。

電脳化によってコミュニケーションが高速で簡単になった時代に相反し、個々人であることにこだわる個別主義者の過激派「 個別の11人 」が起こしたテロを追う草薙素子ら公安9課の面々。

しかしそこに張り巡らされた陰謀は、日本全土、そして世界をも巻き込んでふくらんでいく。攻殻機動隊史上最大のスケールを持つ作品です。

電脳化でコミュニケーションが容易になったことで起こりはじめた個人の陳腐化に対して生まれた個別主義という思想。そしてその個別主義者もまた、「 個別主義思想 」を掲げることでひとつ集団として陳腐化してしまうジレンマがなかなか面白い。

攻殻機動隊は設定の練り込みが本当に素晴らしい。これぞSFですね。

こちらも160分にまとめられた総集編「 攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX Individual Eleven 」が製作されているので、お忙しいかたはコチラをご覧ください。

攻殻機動隊 S.A.C. Solid State Society(劇場版アニメ)

攻殻機動隊 S.A.C. Solid State Society、略してSSS。攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIGの続編として、傀儡廻(くぐつまわし)事件とその衝撃的な顛末を描きます。

もともとはOVAだったったのが後に3D劇場版アニメとして上映されました。

人形使い事件の起こらなかったifストーリーのSACでありながら、全体的にGHOST IN THE SHELLシリーズ(GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊、イノセンス)を踏襲したようなストーリーと演出で、古参ファンの心をもガッチリつかんだ作品です。

ARISEシリーズ

ARISEは草薙素子や荒牧課長がどのようにして出会い、攻殻機動隊としての公安9課が組織されるかを描くシリーズ。

SACの前日譚的な雰囲気を出しつつも設定上の矛盾が多く存在し、ストーリーは直接はつながりません。別物扱い。もちろんGHOST IN THE SHELLシリーズともつながりません。マンガ原作、GHOST IN THE SHELLシリーズ、SACシリーズに続き、第四の攻殻機動隊とも。

もともと劇場版4部作だった作品をテレビアニメ化したものもあるためややこしいですが、ざっくりまとめると

  • ARISE border:1 ~ border:4:劇場版アニメ4部作
  • ARISE ALTERNATIVE ARCHITECTURE:上記劇場版をそれぞれ2話構成に分離+新エピソードを追加したテレビアニメ版
  • 攻殻機動隊 新劇場版:劇場版アニメARISEの続編

構成になっています。

ARISE ALTERNATIVE ARCHITECTUREは劇場版だったARISE border:1 ~ border:4をテレビ放送用に編集し直したもので、内容はほぼ一緒

基本的にはどちらかだけ観ればオッケー。そのあと攻殻機動隊 新劇場版を観る流れです。

ただ、テレビアニメ版のALTERNATIVE ARCHITECTUREには新劇場版につながるエピソード Arise Pyrophoric Cult が追加されています。ARISE border:1 ~ border:4には収録されていないので、これから観る方はARISE border:1 ~ border:4ではなくテレビアニメ用に編集されたARISE ALTERNATIVE ARCHITECTUREを観た方がいいでしょう。

すでに劇場版4部作の方を鑑賞された方は、別途Arise Pyrophoric Cultだけご覧になればOK。

ちなみにARISEでは主人公 草薙素子も含め声優も刷新。GHOST IN THE SHELLシリーズとSACシリーズは同じ声優が起用されているので、声が違うのはARISEシリーズだけ。

いや声が変わったのは義体の声帯パーツを変えただけですよきっと。トグサと課長は生身? はてなんのことかな??

GHOST IN THE SHELLシリーズ

  • GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊
  • イノセンス

GHOST IN THE SHELLシリーズは攻殻機動隊初の映像化作品 GHOST IN THE SHELL と、その続編 攻殻機動隊 とその続編 イノセンスの二本で構成されます。

どちらも劇場版アニメ映画でテレビアニメ化などはされていません。原作マンガに対し第二の攻殻機動隊とも呼ばれています。

どちらも芸術寄りで、ひたすら映像と絵がキレイな、いわゆるアカデミックな作品です。ストーリーの起伏は小さめ。音楽でいえばオーケーストラ的なイメージ。

率直なところ、攻殻機動隊のことをよく知らずにいきなりGHOST IN THE SHELLを観ても眠くなるだけです。攻殻機動隊はじめての方はとっつきやすいSACシリーズから観ましょう。

以下両作品のざっくりした紹介です。

GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊

ほかのアニメ作品に比べ原作のマンガ版 攻殻機動隊に忠実で、お話は基本的に人形使い事件を中心として進みます。攻殻機動隊初の映像化作品で、1995年11月18日公開。

続編のイノセンスも含めほかの作品に比べると絵の古さは否めません。なお、2008年にはCGシーンを中心にリニューアルされたGHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊2.0が公開されています。

紛らわしいことに実写映画版攻殻機動隊のタイトルもゴースト・インザ・シェル(原題:Ghost In The Shell)。別物なので間違えないように注意されたし。

イノセンス

GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊の続編。日本のアニメーション作品で初めてカンヌのコンペティション部門で上映された作品です。

なんと、攻殻機動隊シリーズでありながら素子ではなくバトーが主人公。なぜそんなことになっているかはぜひその目でお確かめください。

あいつは行っちまったのさ。それこそ均一なるマトリクスの裂け目の向こうへ。

すべての原点、原作マンガ版もオススメ

アニメを観たら原作のマンガ版もオススメです。刊行は1991年。さすがに絵が若干古いところはありますが、攻殻機動隊の世界観を理解するのにこのうえない作品。

攻殻機動隊にハマったらぜひ一度は読んでいただきたいですね。

実写映画もパラレルワールド

GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊の項でチラリと名前を出ましたが、攻殻機動隊は実写映画化もなされています。

タイトルはそのまんま、Ghost In The Shell。電脳化や義体化などの設定は踏襲しているものの、アニメシリーズとはまた違うパラレルワールドでのオリジナルストーリー。

実写版ドラゴンボールみたいにめちゃくちゃな改編もなく、原作リスペクトなシーンや演出など愛のある実写化だったように感じます。

ネット上には「 少佐はあんなに短足じゃない 」「 全身義体なのにお腹ぽっこり 」など不評も多く、たしかにその辺りはちょっと気になるかも。

でも酷評されるほどの出来ではなく、ひとつの映画としてひとつの攻殻機動隊として普通に楽しめる仕上がりです。

興味がある方はアニメや原作とどれくらい設定が違うのか、またスカーレット・ヨハンソンのお腹がどれくらいぽっこりしているのか、ぜひその目でお確かめください。

まとめ:アニメ攻殻機動隊を観る順番

  • アニメ化された攻殻機動隊は主に3つのシリーズラインに分けられる。
  • GHOST IN THE SHELLは後回しにしてSACシリーズから観るのがオススメ。

2030年までに第三次世界大戦が起こるかやここまでの技術的な進歩が起こるかはともかく、攻殻機動隊で描かれている世界観は一介のSF作品とはとても思えないような説得力に満ちています。

このまま人類が進歩を続け、いずれは攻殻機動隊のような電脳化や義体技術にたどり着くのは間違いないのではないかと。SFとして本当に素晴らしい作品。

すこしでもご興味ある方はぜひぜひぜひぜひご鑑賞ください。もし疑問などございましたら、私がわかる程度でよろしければお答えしますのでぜひコメントください。