驍宗の生死考察【白銀の墟 玄の月 第一巻・第二巻】
本記事は十二国記 白銀の墟 玄の月のネタバレを含みます。
すでに白銀の墟 玄の月の第一巻・第二巻をお読みになった方向けに書いておりますので、まだ読み終わってない方はまず二巻までお読みになってください。
目次も開かないことをオススメします。
どうしてもなにか読みたい方は、答え合わせが近づき尻がむずかゆくなってきた下記記事でもどうぞ。
驍宗は死んだのか、生きてるのか
新潮社十二国記公式ページより ©️小野不由美 / 新潮社
結論から申し上げれば、白銀の墟 玄の月のラスト、老安で亡くなった回生の主公は驍宗ではないと考えていいでしょう。
回生の主公は別人で、驍宗は生きていると考えるのが妥当と考察します。
死んでいない説の根拠
驍宗が死んでいない&老安で死んだ回生の主公が驍宗ではない根拠は下記です。
- 回生の主公が死んだ時期と白雉
- 回生の主公は死の間際に「 台輔 」と発言
- 回生がいた隠れ家は女の子が水流で食料を流していた洞窟とは別に見える
- 泰麒の王宮の奥への一礼
- 仙である王がいまさら外傷や里人が手に入れられる程度の毒で死ぬとは思えない
驍宗が生きていると考えられる一番の根拠は白圭宮で白雉が落ちていないことを確認したのが老安の武将が死んだとされる時期よりあとと思われる点。
李斎は老安の武将が死んだのが泰麒が李斎のもとから去ったのが同じ頃、としていました。しかし、泰麒が白圭宮に乗り込んだとき、慌てた張運らが白雉が落ちていないことを確認しています。
ちなみに泰麒が李斎がのもとを去ってから白圭宮に着くまでは数日、多分四日です。李斎の言う「 同じ頃 」が多少アバウトだとしても四日もズレているとは考えられませんし、泰麒が白圭宮に着いてから第二巻ラストまで一度しか白雉を確認していないなんてことはないでしょう。その間にも白圭宮では驍宗の禅譲が云々なんて話になっているのですから、やはり白雉は落ちていない=驍宗は生きていると考えられます。
続いて台輔発言。驍宗は泰麒を台輔ではなく自身が贈った字 蒿里と呼んでいます。ほかの国の例をみても王は自国の麒麟を字や国氏をつけた○麒、○麟と呼んでいることが多く、台輔と呼ぶことはあまりありません。驍宗が絶対に台輔と呼ばないとは言い切れませんが、驍宗最後のセリフでわざわざ呼び方を変えるとは考えづらい。
また父娘が苦しい生活のなか月に一度食料を「 お供え物 」として洞窟の川へ投げ込んでいる描写も驍宗生存の伏線かと。死んだ回生の主公は元気になっては外出し農作業すら手伝っていて、世話をしてくれる回生もいるのに、ここまで迂遠な形で月に一度食料を補給するのは不自然。
回生と主公がいた老安とは別にもうひとつ別の隠れ家がある。であれば、いまだ詳しく触れられないこちらが本命と考えるのが自然です。
泰麒が一度倒れかけてから北方面、王宮の奥に向かって一礼するようになったのも気になるところ。阿選の方向かとも思われていますが、実は驍宗が王宮の奥に隠されているか、白圭宮のある瑞州からは北北西方向にある文州で潜伏する驍宗を向いてのことともとれます。
あと、これは前回記事にいただいたそうじんさんのコメントで「 なるほど 」と思ったヤツ。神仙たる王が市井の里人が手に入れられる程度の毒で死ぬとは思えない。いくら無理をして体調を崩したといっても、6年も生きて来られた傷がもとでいまさら死ぬとも考えにくい。
男はすでに仙ではなくなっているのでは? と考えると、驍宗ではありえません。王は王である以上神仙で、王をやめるときは死ぬときです。しかし一介の軍人や官吏なら自分で仙籍を返上したり、国が剥奪することができます。行方をくらませた驍宗配下なら阿選らによって仙籍を剥奪されていた可能性が高く、毒や負傷がもとで死ぬのに不思議はありません。
偽物の白雉の足で仙籍を動かすことができるかは意見が別れそうなところ。
仮にも数年間偽朝を運営してきたのですし、耶利に官位を与えて昇仙させるって話しもあったので仙籍のつけはずしは可能とみてよさそう。
ただ、それだと李斎や項梁は現状仙なのか? って話しにもなってくるような。
仙は仙籍に名前が残って生死がわかるはずなので、李斎や項梁の生存も阿選側にわかるはず。なら官位を剥奪して仙からおろすはず。
李斎って仙だとか仙でないとか明言してたっけ? 仙でもない状況で戴のあちこちを逃げ回り、あの傷で死なずに済んだ? もっと深堀りしないとかも。
老安の武将が死んだ時期と白雉については吾木香さんとまるさんのコメントをヒントに検証して追記しました。
吾木香さんとまるさん、ありがとうございます〜。
反説:老安で死んだのはやはり驍宗?
ここからは妄想です。描写的にいえば老安で死んだのは驍宗ではないと考えるのが筋ですが、老安で死んだのが驍宗である可能性も排除はできないし、一部回生の主公=驍宗ともとれる伏線もあります。ミスリード狙いかはわからないけれど。
- 泰麒が膝を折るほど体調を崩した理由
- 回生の主公が体調を崩したのが夏頃
- 回生の名前が意味深
具体的にいえば上記二点に関していえば、回生の主公が驍宗であれば説明になります。
一点目、血の穢れや怨嗟はすでに快癒しているはずの泰麒が白圭宮で一瞬にして体調を崩し膝をついたシーン。これが老安で驍宗が死んだことを感じ取ったか、死期が近いことを悟ってのことでは? と考えられます。時期的には大体同じと考えられます。
二点目、回生の主公が体調を崩して倒れたのが夏ごろである点。夏ごろといえば泰麒が魔性の子で集めた血の穢れと怨嗟がピークだったころ。または黄昏の岸 暁の天でこちらへ帰還した瞬間とも考えられます。
麒麟の失道なら王に影響はありません。しかし泰麒は麒麟としての力そのものを失っており、その泰麒に選ばれた王にもなにかしら影響がある可能性はあります。その影響を受けていたからこそ、驍宗も6年間も身動きをとれずにいたのが、泰麒の状況がますます悪化し驍宗もついに倒れてしまう。そして折悪く、王=仙として不安定なときに老安の人々に毒を盛られて……
あり得そうな話ではあるけど、ちょっと考えすぎ?
まとめ:白銀の墟 玄の月
驍宗には死んでほしくない願望も込み。しかし小野不由美先生、やるときは主人公でもバッサリ死なせたりする(ネタバレになりかねないので作品は伏せます)ので全く安心できない。
いずれにせよ、回生と彼に託された一本の短剣が今後物語で重要な役割を担うことは疑うべくもないですね。
老安で死んだ回生の主公が別人で驍宗は生きていたとして、驍宗をその仇として刺しかねない迫力すらあります。泰麒も危ない。
にしても、回生って名前も含蓄に富んでいます。起死回生の回生。
生き返りを意味する回生と、死者の魂が還る蒿里。そして驍宗の死に憤る回生と、すでに驍宗の死を受け入れた蒿里って対比も背筋がゾクッとくるものがあります。
名前からして対極的な二人が同じ主人を持ったと考えると、やはり老安で死んだのは驍宗なのだろうか。
悲しみを背負った二人と、たくさんの悲劇が起きた戴のこと、せめて行く末が穏やかならいいんですが……
ディスカッション
コメント一覧
老安に居た人物が白髪紅眼という部分が重要なポイントかと。しかし『主上と呼び掛けると返事はしないが振り向いた』というのはいかにもミスリード臭い。
>楽鈍さん
コメントありがとうございます~。
ミスリードなのかミスリード臭く演出してるのか段々わかんなくなってきますよね。
まさしく「信じたいものと信じられるものが交錯して」ます。
ところで楽鈍さんはネズミの半獣だったりしますか?
ちょっとお腹のモフモフかして頂けませんか?
阿撰の動機を考えるました。
阿撰は驍宗ラブで、驍宗が王に選ばれなかったら将軍を辞めると決めていたので、選ばれないことを祈っていたのでは?玉座への嫉妬かと、言う考えに至りました。
だからタイキに「選んだお前が悪い」と、言ったのでは?
>>晶麟さん
まさかのBL展開ですけど、あり得なくもなさそうですね。
BL抜きに敬愛のラブとか単に好敵手を玉座にとられたと考えれば嫉妬ぐらいあり得ますし。
で、驍宗暗殺も失敗するわ嫉妬していたはずの玉座に自分が座るハメになるわでやる気は出ない、と。
もしかしたら座ってみた玉座が思ったより重くて、やっぱり驍宗はスゴかった……と後悔してるのかもしれません。
ただ、ラブ説がありなら私はやはり正頼黒幕説を推しますね。
正頼が泰麒ラブなのに泰麒は驍宗ラブで、耐えられなくなった……とか?
いやそれじゃふざけすぎか。
泰麒が膝をついたのは体調を崩したからではなく 驚いたからではないかと 個人的には思います。「床の一点を見つめて…」という描写があって 清めてもらうために預けられていた使令が戻ってきたからびっくりしたんじゃないかと思いました。「間が悪かった」という発言もあって 絶対に間違いないと思って歓喜してたのに その後全く言及がなく 焦れったいまま2巻が終わってしまったんですよね。
ちなみに 老安で死んだ人は王の身替りだったんじゃないかとか思ってます。実際そんなものがいたのかはわかりませんが、どうやら阿選はもとより驍宗様の命を取る気がなく むしろ死なれては困るようだし、だったら老安の人が言ってた「追われていた」は説明できないし、殺す気がなかったのなら 驍宗様はあの洞窟に監禁されていて 自力で脱出できない状態だから6年間も音沙汰なしだったのでは。洞窟に閉じ込めて放置すれば 王ならたとえ飲まず食わずでも死にはしないし、ちょうど雁の元州の様な状況じゃないかな。アツユとアセンって 悪役の名前も似てるし なんてね(笑)。
>>Arieさん
使令が戻ってきて背後から膝かっくんした説、ありますね。可愛いかよ饕餮。
本当に戻ったのだとしたら天意以外で泰麒に逆らえる人間は白圭宮どころか十二国すべて探してもいないし、慈悲もなければスキもないし、心身ともに泰麒最強状態です。
とりあえず張運はエサになりそう。
驍宗幽閉説はありますよね。そうでもなきゃ本当に6年間もなにしてたんだよ、って話しですし。
驍宗や泰麒が名乗りを上げても軍で潰されるっていうけど、驍宗が生きていれば阿選軍から驍宗につく兵卒も多いだろうし、そんな悲観することもないはずです。
むしろ驍宗のことなので、民のことを想って確実な勝算がなくてもことを起こしそうなものです。負けて自分が死ねば次の王が立つからそれでいい、と。
なので、閉じ込められているかなにかしらの事情で動けないのは間違いなさそう。
ただ、ここ数日は生き返りを意味する回生と死者の魂が還る山を意味する蒿里、驍宗(?)の死に怒る回生と驍宗の死を受け入れてしまった蒿里の対比を見ると、老安で死んだのは本当に驍宗だったんじゃないかって気もします。
同じ驍宗を主人を持った二人なのに、ってところが対比の軸が置けそうで。もちろん、斡由&更夜と尚隆&六太みたいに別々の主人で対比させることもできますけど。
確かに登場人物の名前はすごく興味深いんですよね。特に新登場のキャラなんか、名前から役割や展開とかを予想しようとしたりしながら読みました。で「回生」って名前でちょっと笑っちゃいましたけど。阿選ってのもなんか意味ありそうな名前だし、3,4巻が出て動機やら本性やら謎が全て明らかになってから「なるほど、だから阿選って名前だったのか」ってなったらいいですね。
それにしても、最初の「驍宗は絶対に生きてる」という100%の自信がストーリーが進んでいくにつれてじわりじわりと蝕まれていって、2巻を読み終わった段階で「もしかしたら本当に死んだのかも、いやでも流石にそれはないでしょう、いやいやしかしどう見ても…」という真っ二つに割れて何一つ確信が持てない状態にされて「小野主上さすが!」ってなった。しかもそれはキャラクターだけでなく、読んでる読者ですらそういう状態に。読者が得ている情報は登場人物に比べて遥かに多いはず。なのに、或いは、だからこそ読者も登場人物の不安や葛藤を共有できてる。まんまとやられてるのがなんか癪だなと思いながらも、それを楽しむ自分がいて、またも半々に割れて。それが長編の半分が終わったところってのもまたすごいなって。
まあ、とはいえ、老安の話はちょっと唐突な気もしたけど。「静之らが以前から疑っていた」なんていくらなんでも静之がアホすぎる。本当なら何かしらの手がかりを追って老安に辿り着いて、その時にはもう遅かったって展開が良かったんじゃないかななんてケチをつけたいところもあったり、李斎もあんなあからさまに反阿選・親驍宗な言動を取ってて、よくもまあ今まで生きてたなとか、実は李斎が黒幕だったりしてww
ちなみに、元州で思い出していたのは、元州侯が斡由によって何十年も幽閉されていて、飲まず食わずでも生きているのは仙だからみたいなことを六太に言ったところで、同じように驍宗も阿選によって幽閉され放置されているんじゃないかという対比で、斡由&更夜、驍宗&泰麒、死んだ人&回生の対比は考えてなかったですね。けど「驍宗(?)の死に怒る回生と驍宗の死を受け入れてしまった蒿里の対比」のところですが、泰麒はただ受け入れたように振舞ってるだけ、演技してるだけだと信じたいですね。
長々と失礼しました。
>>Arieさん
本当、全ては驍宗のために泰麒が演技じていた、って優しい終わり方になってほしいです。
最後はみな再会して、これからは驍宗も泰麒を重しにと言わず台輔として頼って、結果に焦らずもっとじっくり施政に取り組んでいく、そんな国になったら幸せです。
泰麒帰還に協力した各国へのお礼参りもぜひ二人で行ってほしいですね。
なんだかんだ十二国記は最後には救いがあるので、今回もぜひ!
当時十代だったみなさんもいま読み始めてる方ももうほとんどは大人になってそうですけど、もともとティーン向け作品だったのだからあまり鬱な展開で終わらないと思いたい。
こんにちは。1,2巻読み終えてしまい物足りず、考察、ありがたく楽しませていただいてます。
老安で死んだ武将が驍宗だった場合の考察ですが「泰麒が膝を折ってくずれた理由が、驍宗の崩御」は、時期がずれてる気がします。
二巻の最後の方で李斎が、泰麒が姿を消したのと、老安で武将が死んだのが同じ頃、と言っています。
泰麒が李斎たちと行動を別にしてから、白圭宮で膝をつくまでにはかなり日が経っていると思います。
なので、膝をついたのは、何か別の理由かと・・。驍宗の王気を感じたとか。
あと、別件ですが、鳩が気になります。
それから、耶利がとばした青い鳥の行き先とか・・。
>>たまねぎさん
確かに泰麒が崩れたのは老安の人が死んだよりあとっぽいですね。
となるとやはり、麒麟としての力が一部戻ったとか、王気を感じたとか?
そちらに向かって祈るように一礼してるということはやはり、驍宗がそちらにいるのでしょうね。
もし、老安で死んだのが本当に驍宗だとしたら、この時点で新たな天啓が下ったってこともありそうです。北のほうにいる、ってなるとやはり李斎パーティーが候補なのでしょうけど。
鳩が今後どう効いてくるかは気になりますね〜。実をいうとすでに発表されている第三巻のあらすじで妖魔の正体はハッキリ言及されているんですよ。そう言ったネタバレがお好きでないなら見ないよう避けた方がいいと思います。
耶利はヒントがなすぎてよくわかりませんが、主人が驍宗派なのは間違い無いので、潜伏している英章とか牙門観とか反阿選組織に送ったのかな、って考えてます。
もし老安で亡くなった白髪紅眼の武将が驍宗なのだったら、「白雉は落ちていない」と宮中で盛んに言われている時期はそれより早いってことなのでしょうか?
確かに泰麒が阿選に会って、その後軟禁状態を経て、泰麒が阿選新王を知らしめたらと言った後、しばらくしてから噂が李斎達に届いたと思われるので、この間に亡くなったのなら白雉の描写がないだけかもしれませんが…。
あまり強く推す自信はありませんが…
もし老安の亡くなった武将が驍宗でなく影武者なのだとしたら、驍宗は本当に宮中内に幽閉されているということもあるんじゃないかな。。と思ったり。
琅燦が「王を殺さないことが大事」みたいなことを言ってませんでしたっけ。
阿選自身も自分が決して次の王に選ばれないと知っていたなら、驍宗を弑するのではなく、そのように見せかけて幽閉している間偽王として立つしかないような。
なんとなく阿選に何か囁いて唆した者がいたんじゃないかという気がします。宮中の臣下の一人か、まだ登場していない妖みたいなものか…。
でも今更、轍囲に向かったのは影武者だったっていう展開もなんだかなぁとも思います。
供物を川に流していた親子が謎ですよねぇ。月一の供物で救いになるのかどうか…。
白幟の母子が「昇仙した道士様に会いに行けば死なずに済む」と言ったとき、直感でこれだ!この噂の先にきっと驍宗はいるはず!…なんて思いましたが、掘り下げられることがなかったので違うようでした。
まだまだ混沌としていて、真実が掴めないですね。。
でも生きててほしいです、驍宗様。
>>吾木香さん
あー!
老安の武将が死んだ時期は詳しくわかんないからなぁ、って思ってましたけど、そういえば李斎が「 泰麒がいなくなった頃と老安の武将が亡くなった時期が同じ頃 」としてるんですよね。
で、泰麒が白圭宮についたあと張運が白雉の生存を確認しています。
泰麒は李斎らと別れてから4日くらいで白圭宮に辿り着いています。李斎のいう同じ頃がどれほどアバウトなのかにもよりますけど、その後も白雉が落ちたとは確認されていないし(普通に考えたら数日に一回は確認するだろうし)驍宗は生きてると考えて良さそうです。
>阿選自身も自分が決して次の王に選ばれないと知っていたなら、驍宗を弑するのではなく、そのように見せかけて幽閉している間偽王として立つしかないような。
琅燦が驍宗を殺すと天の理が動き出す、とは確かに言っています。ただ、黄昏の岸 暁の天で泰麒を手にかけた時点では驍宗の弑逆を考えていたんだと思います。
黄昏の岸の泰麒襲撃シーンは殺すつもりで斬ったのがたまたまで角に当たって鳴蝕になったような書き方でした。泰麒が死ねば驍宗も死ぬので、この時点では驍宗が死んでも構わなかったと思えます。
っていうかそもそも驍宗を殺したいなら驍宗を襲うのは悪手なんですよ。あの世界でも五本指に入る剣豪な王を襲うより使令を引き離した泰麒を殺す方が絶対楽ですし(実際惜しいところまでいった)、偽王になりたいなら次王が立たないように泰麒は殺した方がいいはずです。どちらにしても泰麒を襲うなら泰麒だけ狙えばいいのに、わざわざ驍宗も泰麒も襲うのはちょっとよくわからない。
目的が読めなぎるので、阿選の謀反がどうとかっていうのとは別に第三の意図が絡んだせいでややこしくなっているようにも思えます。
そうですよねぇ。。
私も泰麒が阿選に襲われた場面を読んだときは明確な殺意があったと受け取ったし、驍宗に対しても暗殺計画があった上での文州の乱だったと思っていました。
琅璨の言葉で、ん〜?もしかして幽閉してるのかなぁ?…とわからなくなったんですけど、腹ぺこクマさんのおっしゃる通り、阿選はやっぱり、元々は泰麒と泰王両方弑して玉座を奪おうとしてたのだろうなぁと思います。
ということは、阿選も自分が次王に選ばれることがあり得ないとは思ってなかったんでしょうかね。天の理も、意外と王宮の中の人が周知していた訳ではないみたいですし。
それも違って、わかっていても驍宗に負けたことが許せなくて仕方がないとか…。
阿選の無気力と傀儡のような官吏が蔓延る有様ですが、最初は偽王が立った天の呪いみたいなものかと思っていたんですけど、気味の悪い鳩が…!これ、やっぱり何かの妖魔が王宮に巣食っているのでしょうか?
赭甲と呼ばれた残忍な兵士達もこれと関係あるのか、ないのか。。
腹ぺこクマさんの鋭い考察、読んでるととってもワクワクします。次の発売日まで、焦らず待てそうです〜。
ありがとうございます~。
第三巻・第四巻発売まで少しでもみんな一緒に楽しめるといいなって考えで妄想を垂れ流しているので、お世辞でも褒めていただけて嬉しいです。
阿選は当初、通常の簒奪と同じで驍宗を殺す気でいたけど、結果的に果たせなかったところに琅燦が阿選側について(?)「驍宗を殺すと天意が動いてマズい」とかいろいろ入れ知恵をしたって流れかなって考えています。
琅燦は自分の主公である驍宗を殺されたくないけど阿選に逆らっても勝てないので、現実的な方策として阿選と利害が一致する落としどころとして驍宗は殺すな、と助言をしているのかな、って。
でも白銀の墟 玄の月を読む限り、阿選が驍宗に嫉妬して簒奪を考えるかな、ってところもあるんですが……
もしかしたら阿選が相手どっているのは驍宗じゃなくて天だったりするのかも、とも考えたりやっぱ違うよなぁと思ったり。
ちなみに鳩の正体は第三巻のあらすじですでに暴露されています。新潮社さんの十二国記公式ページで見れるので、気になるようでしたら……
逆にいえば見れてしまうので「公式とはいえ発売前にネタバレは許せん!」ということでしたらお避けください。Amazonの商品ページにものってるのでご注意。
驍宗の死は夏ごろには
慶国ふくめてハクチが鳴いてないというのがあります
冬のいまは3巻以降であるかもしれませんが
次回無事だといいなと
>>まるさん
そういえば老安の武将が亡くなった時期が泰麒が李斎から離れた時期と同じ頃らしいので、老安の武将が死んだ時点で白雉は落ちてなさそうです。
役割が役割なので、生きててほしいですね。ここで死んでたら本当に面白みもなく結果も出せなかったつまらない王になっちゃう。
小野不由美先生って結構重要な役の登場人物をあっさり殺すことがあるので、あまり安心はできませんけども。
久しぶりにシリーズ読んだので、他作で明記が有れば恥ずかしいのですが、
禁軍将軍の籍を王の御璽も無く剥奪できるのかなぁ?白雉の足も無いわけだし
>>じゃっこさん
そこなんですよね。ただ任命したり位を下ろす人事だけなら実質的に王権さえ持っていればいいのかもしれません。仙に召し上げる、仙籍を剥奪するのは天に関わりますけど、地位だけなら関係各所がそう把握していればいいだけですから。身分を証明する綬(?)には偽物の白雉の足が捺してあってもわからないでしょうし。
もし本物の御璽が必要って話なら、実は驍宗と阿選がグルか阿選に捕まっていて無理やり捺させているかって話なのでしょうけど、流石にそれだと泰麒や李斎が「 驍宗は王宮に捕まってる 」と気づきそうなものなのでないかなと。
いずれにしても、昇仙させたり仙位を剥奪させるって話しはちょっとややこしくなるんですよね。
仙籍が動かない人事ならともかく、仙籍を与える=世界のシステムに関わるのに本物の御璽か白雉の足が必要では? とちょっと不思議なところ。
少なくとも耶利が仙籍を与えられてはいるようなので、御璽なしでも州侯の権限でできるのかもしれません。であれば瑞州州候が泰麒なので昇仙の問題はないはず。
東の海神では白択が「 私を州宰に任じたのは王ではなく元州侯だから~ 」みたいなこと言ってましたし(どちらに忠義を立てるかってだけの話しにも読めますけど)。
私も驍宗は死んでいない、1票
影武者かなぁ、他に該当する人は誰だ?とは思いますが
ここからは、全くの個人的な妄想です
一連の事件は、阿選と驍宗の共犯を疑っています
動機はまだ思い至りませんが、天および麒麟と王を必要としない国家運営のシステム構築あたりかなぁ?
失踪?殺害?にしても、驍宗の意思や阿選との共犯が無ければ成り立たないシチュエーションが多くありました
信頼していない(借りてきただけの)部下に背後から斬られるようなヘマをやるか、とか
どう逃げたにしても数ヶ月単位で動けない状態からの逃亡は無理じゃないか、とか
あとは泰麒の体調ですかねぇ
あれは穢衰の影響ではなく、失道なのではないかと
つまり、二人の天に対する反逆について、すでに天は気付いているのではないかな
まあ、こんな下らないことを思いついたきっかけは、驍宗を選んだときの一文
「泰麒の罪は確定した。」です
あの一文は天啓なく王を選んだ罪ではなく、実は驍宗自体が選んではいけない王だったのでは?その伏線なのではないか?
後半の発売まであと少し
言いかえれば、こんな愚にもつかない妄想を語れるのもあと少しですね
楽しみですが、残念(笑)
すいません、思わずのコメントです。
それ、ありそう。というかあったら面白い。
天に対する民主主義革命ってことですね。
それいい…!
>>LEDさん
>天および麒麟と王を必要としない国家運営のシステム構築あたりかなぁ?
天への対抗は以前から小野不由美先生が仰っていたことなので、今作でいよいよテーマになりそうですね。
驍宗が共犯説も結構説得力ありますよね。驍宗が角を排除するために阿選に泰麒を襲わせたとすると、阿選の言った「驍宗を選んだ、あなたが悪い」のセリフが超怖い。
ただ、轍囲であそこまで民を想った驍宗が現状をよしとするかな、って気はしますね。
もしかしたら阿選と驍宗とでなにかをしようとしていたのに、途中で驍宗が行方不明になって計画が狂って混乱して現在にいたる可能性はありそうですね。
で、放置された阿選は驍宗のせいでずっと謀反人を演じざるをえなくなって、もう諦めて無気力とか。これに鳩がどう絡むのか。
いずれにしても、民の誅伐自体は「 正当なる王を求める=天に従うものを根絶やしにする 」目的でやってるのかなって気がします。天に逆らうのだから、天意の民=天意の王を求める者も排除する、的な。
>あれは穢衰の影響ではなく、失道なのではないかと
これもありそうですね!
前才王の例でいえば、驍宗の善意・悪意に関係なく現状の戴を見るだけでも十分失道に値するはずだと思います。
結果的に全然戴を治めていませんし。
西王母の言った「 これ以上のことは、いまはならぬ 」が「 いまは角を戻してはならない 」ともとれるので、麒麟としての力が戻った瞬間失道するんじゃないかって結構怖いです。作中で泰麒が膝ついたときは「 ついにきたか!? 」って思っちゃいました。
とりとめもないですけど、ホント妄想できるのもいまのうちですよね。
小野先生が与えてくださった一か月をフルに楽しんじゃってます~。
考察無視になっちゃうんだけど西王母に会って堂々と意見をいい、常に泰麒と民を思いやる、土匪の話にも耳を傾ける李斎 に次の王になってほしいなあ。
ぎょうそうより相性いいと思う。
りさいがおうだといいなあってセリフどっかで聞かなかった?
>>銀さん
>りさいがおうだといいなあってセリフどっかで聞かなかった?
泰麒が風の海 迷宮の岸で言ってましたね~。泰麒は李斎大好きっこですからね。
実際、麒麟は民意の写し鏡って意味でいえば、李斎も王の器としては結構いいところまで行ってたってことだと思います。先王時代から次の時代を見据えてた驍宗が圧倒的に天の気をひく人物だっただけで。
でも、李斎は空回りしたり視野が狭くなりがちな難点はありますけど、周りを巻き込んで味方につける魅力、優しさ、意志をまっすぐに突き通す強さを併せ持っているので、登極したら戴を穏やかに治めるいい王になってくれそうです。
実際、李斎の姓が劉であることが作中で強調しているように思えるので、三巻・四巻で李斎登極の線もありそうな……?
あと1週間で後半3・4の発売。待ち遠しいです。
論なんて言えない無駄話をば。たぶん下に書いてることは1週間後にはほっとんど裏切られてるんじゃないかと思いつつ。
天意ってナニ、十二国って結局何。この回答、くれると思いながら見てます。
自分は実は驍宗と阿選は組んでて、二人して「天」を試してるんじゃないかと。そんな妄想してます。阿選をつけて漣に蒿里を遠ざけてる間に驍宗がしたのも「非道」でしょう。実は阿選と大差がない。驕王におもねってた・驕王に都合がいいように見せかけて自分を肥やしていたひとびとを片付けていった分、刷新に見えただけ。お互いに「信用」はしてないが「信頼」してる仲だと思います。
驍宗、弱ってるのかもしれませんが生きてる派。繰り返し出てくるざれ歌「朝にぴんしゃん出かけて攻めて 暮れて夜には戻らない」少なくとも1回は驍宗が歌ってると思ってますし。だいたい戦闘が1日で終わるとは限らないぞー(笑)
琅燦は華麗に登場(笑)しましたが、彼女もなんかひっかかってます。斬ってみればわかる、って言ったのは彼女ですよねえ。あのとき使令が泰麒についてないこと、実は知ってたんじゃないのかって。黄海での出来事を知りうる立場にあったんじゃない? という。(彼女は山客なんじゃないのかとか天仙としてのつながりもあるんじゃないかとか妄想もしてみたり。雰囲気が違和感ありすぎるんですよねえ)
陽子の疑念もありましたしね、「黄昏の岸~」での。あれホントに回収してくれるのかな、でもあれの回答がないと自分としてはこの話は決着したといえないと思ってるんです(知人とのバカ話で「陽子の夢オチで終わるのは止めて」なんて昔云ってましたただし、それだとなぜ壁落人のエピソード出せたかが謎に。陽子、たぶん安田講堂攻防戦なんて知らないだろうし)。でも、陽子は真面目だから天意を試すために非道してみるなんてできそうにないし。
夢オチなら静信(屍鬼の)のにしてほしい。絶対ないでしょうが。。
少しありそうなのが、最後に「未完」で結語すること。「路傍の石」か(これは「筆を折る」だった気が)。
>たぶん下に書いてることは1週間後にはほっとんど裏切られてる
私も考察記事のほっとんどは外れてるんだろうな、と思いながらアレコレ考えては書いています~。
白銀の墟 玄の月 第一巻・第二巻も結局発売前に空想してたのかすりもしませんでしたし。
>彼女は山客なんじゃないのかとか天仙としてのつながりもあるんじゃないかとか妄想
天仙とつながりがあるとか、元は遠輔と同じく自力昇仙の飛仙だったんじゃないかとは思ったことはありましたけど、山客だった説は考えたことなかったですね。新鮮です。
饕餮にやたら食いついたのも崑崙人だったからだったりして。
>静信
突然の静信登場で笑っちゃいました。この夢を見た彼が起きて筆を持つ、みたいな終わり方カッコいいですね。
もしくは、静信が十二国記の原稿をボツにして折りたたんで屑籠に入れる、みたいな。
ここまできて「未完」はもうある意味、いままで待った身としてはいっそその方が十二国記らしく感じちゃうかも。
おはようございます。
琅燦、「黄海の出来事を知りうる立場にある」をもう少し敷衍すれば「黄朱」はあと半歩だったなあと思いながら読んでました。天に属しつつ好き勝手する犬狼真君は耶利の主にふさわしい気も。
泰麒、使令はついてないかもしれないですが融合してるかも。と思ってます。饕餮との契約(使令に下すときの)を反故にするわけにはいかない(十二国の理の一つですよね、麒麟がはかなくなったとき、その骸を食らうのは)、「天」側としては引き離すときに絶対に考慮しないといけない原理でしょうし。ならば融合させてしまえ、とおちゃめな判断をした結果、泰麒があんな冒険したんでは、とかやっぱり妄想してみたり。。
蒿里、というか高里要くんが素の状態であそこまでの冒険できたかなあとちょっと思ってます。天理に抵抗する蒿里強すぎ。
グインサーガみたく誰かこの世界を引き継ぐ天帝が出てこないかなあとか思ったらきっと覿面の罪であの世行きになりそうですが(笑)
小野さんの作品で別シリーズにいっちょがみするキャラはいなかった気がするのでむつかしいというか無理筋でしょうが。静信だったらいろいろありえそうでいろいろ期待してます。ある意味屍鬼も完結したとはいいがたい気がシマスし。
静信「没ではアリマセン、が、いろいろ考慮しないといけませんから」
沙子「だからと言って私を天帝と思われるのも困ります」
静信「では続きをお願いいたします」
沙子「え・・・・・・」
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