白銀の墟 玄の月 第三巻・第四巻確定事項?【あらすじ&インタビューネタバレ】

2020年2月21日

十二国記 白銀の墟 玄の月第三巻・第四巻による完結も間もなくですね。

すごーく今さらですが、「波」での小野不由美氏 作者インタビュー&白銀の墟 玄の月 第三巻・第四巻のあおり・あらすじで事前公開されたネタバレにより確定(?)した情報をまとめました。

本記事は一応公式情報とはいえ、白銀の墟 玄の月 第一巻・第二巻以外から得られた情報をもとに考察しています。

考察っていうかそれら公式の事前ネタバレをまとめただけ。なので、そうした情報はシャットアウトしてまっさらな気持ちで楽しみたい方は避けるべし。目次も危険です。

あと、本ページだけじゃなくて新潮社十二国記公式ホームページ、Amazonの商品ページも注意されたし。

これをもって初勅とする。

小野不由美先生&新潮社による事前ネタバレ

十二国記白銀の墟玄の月第三巻・第四巻表紙

新潮社十二国記公式ページより ©小野不由美 / 新潮社

あらすじってサラッとネタバレしたり怖いよね。

今回の考察材料は「 波 」での小野不由美先生の作者インタビュー白銀の墟 玄の月 第三巻・第四巻のあおり&あらすじ

さすがに直接的にストーリーなどに触れてはいませんが、結構な情報が読み取れてしまう。

結論からまとめると、下記3点がほぼ確定したと思われます。

  • 白銀の墟 玄の月は戴の物語として描かれる=陽子らの出番はなし?
  • 鳩は妖魔
  • 驍宗は身動きがとれない状況から脱出?

白銀の墟 玄の月は戴の物語と断言、陽子らの出番はなし?

白銀の墟 玄の月は戴の話だけとのこと。

どのような形であれ、白銀の墟 玄の月は泰麒や李斎らの頑張りによって結末を迎えることになりそうです。

これは「 波 」の小野不由美先生インタビューから読み取れます。

――今作は『黄昏の岸 暁の天』に続く戴国の物語であり、いよいよ消息を絶った王を捜すことになります。前作で、慶国や雁国をはじめとする諸国の助けがあって泰麒が帰還しましたが、その点についてもかなり描かれているのでしょうか。

小野 本作では戴の話だけ、と決めてありました。

波11月号 小野不由美 作者インタビューより

残念ながら尚隆、陽子ら他国勢が登場することはないとみたほうがよさそう。少なくとも直接ストーリーに絡むほどの活躍はないでしょう。

特に延麒にはとらを借りている関係もありますし、無事に終わればラストでお礼を言うシーンくらいはあって欲しい。

ただ、白銀の墟 玄の月 第二巻の最後が

城の南で戦って、郭の北で死んだのさ

野垂れ死にしてそのまんま、あとは烏が喰らうだけ

小野不由美著 新潮文庫 完全版 十二国記 白銀の墟 玄の月 第一巻より

で終わってるんですよね。これ、あの不吉な歌 戦場南の冒頭部分なんです。

なので、第四巻ラストは戦場南の末尾で締めそうな気がするんですよね。

これだと誰かが死ぬことになるけど。

朝にぴんしゃん出掛けて攻めて

暮れて夜には帰らない

小野不由美著 新潮文庫 完全版 十二国記 白銀の墟 玄の月 第一巻より

回生の懐刀のこともあるし、やはり誰か主要人物の死は避けられなそうな。

いずれにせよ、これで締めるとなれば各国へのお礼参りのシーンすらなく、他国の王や麒麟は本気で一切登場しないかも?

せめて短編で……!と願うけれど

本編で触れずとも、せめて短編とかでお礼参りもしてくれれば、と思うところ。

しかし同じく「 波 」インタビューによれば、2020年発売の短編集も白銀の墟 玄の月・戴関連の落ち穂拾い的な話しになるそう。下手したら短編集ですら他国に触れない可能性大です。

なんなら各国へのお礼のシーンだけまとめた短編集出してくれても売れそうだけど、さすがにやらないだろうなぁ。そもそも王とか麒麟描くより、市井の人々を描く方が好きらしいですし。

小野不由美先生、もう同人誌でもいいので何卒……!

鳩の正体は妖魔

白銀の墟 玄の月 第三巻のあおり&あらすじ文で、鳩の正体は妖魔であることが明言されました。

驍宗様が身罷られたなど信じない。新王が立つなら、それは麒麟の過ちか。──角なき麒麟の決断は。

李斎(りさい)は、荒民(こうみん)らが怪我人を匿った里(まち)に辿り着く。だが、髪は白く眼は紅い男の命は、既に絶えていた。驍宗(ぎょうそう)の臣であることを誇りとして、自らを支えた矜持は潰えたのか。そして、李斎の許を離れた泰麒(たいき)は、妖魔によって病んだ傀儡(くぐつ)が徘徊する王宮で、王を追い遣った真意を阿選(あせん)に迫る。もはや慈悲深き生き物とは言い難い「麒麟」の深謀遠慮とは、如何に。

Amazon 十二国記 白銀の墟 玄の月 第三巻より

官吏や州侯らが「 病む 」原因は鳩と示唆されていたので、素直に読めばこの鳩の声が妖魔によるものということでしょう。

阿選が鳩の妖魔を利用しているのか、阿選が鳩の影響下にあるのかによって、物語の行く末が大きく変わりそうです。

しかし妖魔を操るなんて、犬狼真君じゃあるまいし。どこかの麒麟の使令なら失道しそうだし、宝重でも使っているのか、はたまた妖魔自身が黒幕なのか。

柳も鳩の影響下に?

鳩は伝書鳩として利用されるほど、高い飛行能力を持つ鳥。

本編で鳩妖魔の姿自体は確認されていませんが、鳩の声が出せるのであればその特性も引き継いでいると考えていいでしょう。そうでなくても十二国記世界の鳥はいろいろ優秀ですし、空飛ぶ妖魔はたくさんいますし。

鳩の妖魔はすでに白圭宮だけでなく、各地の州城にも巣食っていると思われます。黄昏の岸 暁の天で李斎の語った「 地位の高いものほど病む傾向があった 」というのは、州城に鳩がいたからでしょう。

そういう意味では他国も安全ではない。特に怪しいのが柳。突然にして政治を放擲した劉王と官吏らの放置され具合、沿岸部のみに妖魔が集中するなど、戴の白圭宮の様子によく似ているように思えます。

柳だけでなく、立て続けに国を傾けば芳・慶・巧の王も鳩の影響だったり……とも考えましたが、特に塙王は陽子にとっては象徴的な存在。

柳はともかく、ほかは考えすぎか。

驍宗は生きてる or 蘇生する

白銀の墟 玄の月 第四巻のあらすじ文には驍宗と思しき人物の述懐があり、再登場するものと予想されます。

好敵手は、どちらかが「影」になる。一国に、王は一人しか要らない。そして、新たな歴史が始まる

「助けてやれず、済まない……」男は、幼い麒麟に思いを馳せながら黒い獣を捕らえた。地の底で手にした沙包(おてだま)の鈴が助けになるとは。天の加護がその命を繋いだ歳月、泰麒(たいき)は数奇な運命を生き、李斎(りさい)もまた、汚名を着せられ追われた。それでも驍宗(ぎょうそう)の無事を信じたのは、民に安寧が訪れるよう、あの豺虎(けだもの)を玉座から追い落とすため。──戴国の命運は、終焉か開幕か!

Amazon 十二国記 白銀の墟 玄の月 第四巻より

台輔に「 済まない 」なんて口が利けるのは王くらいですから、間違いなく驍宗の述懐でしょう。

やはり驍宗は生きていて再登場すると考えてよさそう。

  • 襲撃された際に穴に落ち、出られない状況に
  • 月に一度川より流れてくるお供え物で生き永らえる
  • 少女が食料と一緒に亡くなった姉の形見の沙包を流す
  • 沙包に付いていた鈴を使って妖獣を捕え、馴らして脱出?

なんて流れを妄想。

騎獣商に弟子入りまでして自身で計都を馴らした驍宗ですから、脱出のために妖獣を馴らすくらいはできるでしょう。もしくはもっている宝重に鈴があることで機能するなにかの効果があったり?

ただ、この妄想にはお供え物として食料を流してくれる一家の父という協力者がいながら、驍宗が6年もじっとしていられる性格かって問題が。

一応、単に救助に人手が必要 → 驍宗の存在を知る人数が増えると危険なので自力で脱出できるまで潜伏していた、と考えることはできます。

しかし民想いで結果にせっかちな驍宗のこと、リスクを負ってでも行動しそうな気がしてなりません。白圭宮に飛びこんだ泰麒と同じで。

やはりまともに身動きが取れない状況だったとみるのがいいでしょうね。たとえば泰麒が麒麟の角と記憶を失っていた期間中は同じく記憶を失くしていたとか、気絶してる間に玉泉に浸かっていて身体が玉に閉じ込められちゃったとか。

驍宗の死には不自然な点が多い

驍宗が死んだにしては不自然な点が多いので、やはり老安で死んだ武将は驍宗ではない説の方が有力かと思います。

たとえ老安で匿われていた武人が本当に驍宗だったとしても、仮死状態だっただけで蘇生する可能性もあります。その辺は作中で李斎が語った通り。黄昏の岸 暁の天で碧双珠の世話になった李斎が言うことなので、説得力はバツグンです。

もしくはそもそも死んでなくて、死んだと見せかけて老安を脱出した可能性も考えられる。二重三重の意味で、驍宗は生きていると考えた方が無難でしょう。これが小野不由美先生がしかけた壮大なミスリードでなければ。

そのほか、驍宗が生きてそうな根拠はほかの考察記事で詳しく書いています。下記リンクよりどうぞ。

まとめ:白銀の墟 玄の月 第三巻・第四巻 あらすじとインタビューによる確定事項?

  • 白銀の墟 玄の月は戴の物語とのこと、他国のキャラは登場せず?
  • 鳩は妖魔。
  • 驍宗らしき述懐があり、生きていそう。

鳩が妖魔とか、白銀の墟 玄の月 第一巻・第二巻 本編中で明らかにされてない事実をサラッと書いちゃう辺り結構怖いですよね。こういうのなんて言えばいいんだろう。公式ネタバレ?

同じく小野不由美先生の屍鬼 文庫版 第四巻のあらすじもネタバレ(?)になってたり、実は割とよくあるんですよね。友人に屍鬼を貸すときに外した表紙カバー、そのままなくした思い出が蘇る。いまでも我が家の屍鬼 第四巻は裸です。風邪ひきそう。

ただホント稀にですけど、あおりとかあらすじとかって本編の内容と一致しないこともあるので、本当に確定とは限らなかったりする。さすがに沙包うんぬんは出てくるのでしょうけど、鳩が妖魔っていうのは間違いなんてこともあり得そう。

なんにせよ泣いても笑ってもあと二日。ホントに首が長くなる思いです。