十二国記シリーズ原作 全巻あらすじ【ネタバレ注意】

十二国記シリーズ原作 全巻あらすじ【ネタバレ注意】

本編前作の黄昏の岸 曉の天から18年。当時生まれた子が選挙できる年齢になるだけの年月が経った2019年10月、ようやく十二国記の新刊 白銀の墟 玄の月が発売。

新刊発売にあわせて十二国記シリーズを読み返した方も多いかと思いますが、当時は学生だったとしてもいまでは成人して忙しくしていらっしゃる方がほとんど。

なかなか読み返せないみなさんのためにも、振り返る意味で魔性の子を含む十二国記シリーズ各巻ごとのあらすじをまとめました。

あらすじ+時系列もや位置関係も

十二国記シリーズ全巻

十二国記全巻大人買い!(白銀の墟 玄の月はないけど)

本記事はすでに一度お読みになったことがある方向けに書いています。そのため思いっきりネタバレを含みます。

まだお読みになっていない方向けの記事ではないので注意。これからお読みになる方はまず十二国記を読む順番・読み方からチェックなさってください。

あと、各巻ごとの時系列が気になる方は 十二国記 時系列まとめ【千年前~白銀の墟 玄の月】 をご覧ください。

Episode1 月の影 影の海

日本(蓬莱)で生まれ育った少し内気だが平凡な女子中学生 中嶋陽子のもとに突然、ケイキを名乗る金髪の男が現れる。

同時にはじまる妖魔と呼ばれる化け物の襲撃をかわしつつ、月の影を通って逃げる陽子たち。

しかし、待ち伏せに遭い陽子は一人はぐれてしまった陽子は見知らぬ異世界と、変わってしまった自分自身の姿に愕然とする。

度重なる襲撃に身体を疲弊させ、逹姐ら巧国で出会った人々の悪意と裏切りに心を荒ませてながらも、ネズミの姿をした半獣楽俊と出会いともに雁を目指すことに。

その道中でも妖魔の襲撃に遭い楽俊とは半ば見捨てる形ではぐれてしまうも、雁で再会し安堵した陽子は、楽俊のおかげで猜疑心を捨て去ることができたと礼を言う。

その後、雁にいた海客壁落人を訪ねた際の会話から陽子が景王であると判明。雁王の保護を受け偽王軍に囚われていた景麒を奪還する。

Episode2 風の海 迷宮の岸

天意を反映し、十二国の王を選ぶ麒麟。その麒麟が生まれ育つ蓬山に戴国の麒麟を宿す泰果がなった。

しかしあとは孵るのを待つばかりだった泰果は蝕によって蓬莱へと流されてしまう。

それから10年。血と肉食に弱い麒麟は蓬莱で長くは生きられず、10年経って戻った麒麟の例はないために、蓬山でも泰麒の生還は半ば諦められていた。

しかし、たびたび蓬莱へ赴いていた延麒が麒麟の気配から泰麒を発見。蓬山の女仙らは廉麟がもつ漣の宝重 呉鋼環蛇によって泰麒を蓬山へ連れ戻すことに成功する。

その後、蓬山にきた当初は転変もできず使令の下し方もわからず戸惑っていたなか、昇山者の一人、驍宗の命を救おうと夢中になり、伝説級の妖魔 饕餮を使令に下す。

王に選ばれなかった驍宗は下山すると別れを告げるが、どうしても驍宗と離れたくなかった泰麒は天勅がないと自覚しながら驍宗を王にしてしまう。

泰麒はそれを悔い、戴の王宮で罪悪感に耐えるる日々を送るなか、様子がおかしいのになにも語ろうとしない泰麒のため、驍宗が一計を案じる。

Episode3 東の海神 西の滄海

室町時代の倭国。乱の最中、幼い六太は貧しい家の口減らしのため山中に捨てられる。

捨てられたと知っていても親を困らせないためただじっと飢えに耐えていた六太を救う女怪の手があった。

六太は数年前に蓬山から蓬莱に流された雁の麒麟、延麒だった。

延麒は国が荒れることへの恐怖感を持ち王選を避けるため蓬莱へと逃れるが、そこで王気を持つ青年 小松尚隆に出会ってしまう。

王を迎えることに抵抗のあった延麒だったが、麒麟としての本分に逆らえず、ひとつの国と民を失ったばかりの尚隆を王に選ぶ。

それから約20年後、元州侯 元魁の息子で元州令尹である斡由が六太を誘拐し、人質として延王に対して反旗を翻す。

延王 尚隆と斡由は、天意をかけてぶつかり合う。

関連作品 漂舶(ドラマCD同梱・書籍未収録):斡由反乱鎮圧からしばらくあと

王宮の厳しすぎる締め付けから逃走した六太が令艮門へ行くと、更夜への伝言として門番へいいつけていた言葉に自分の知らない文言が加えられていたことを知る。

文言が示す場所へ向かうとそこには、墓前で逆賊 斡由を偲ぶ延王の姿があった。

Episode4 風の万里 黎明の空

景女王 陽子は自身の不甲斐なさを嘆き、景麒に紹介された和州の遠甫を訪ね、十二国世界のことを学ぶため滞在。

その折に元麦州の面々と和州の住民らが暴政に立ち向かうべく反乱を起こす。事情を知った陽子は反乱軍に身を投じる。

そこに、弑逆により両親と地位を奪われた芳の元公主 祥瓊と言葉もわからぬ世界へ放り込まれた海客 鈴も加わり、数奇な運命をたどった3人の少女が、虐げられた民のために立ち上がる。

これを機に慶国冢宰 靖共らの横暴が暴かれ失脚。各地で暴政を行っていた靖共一派を一掃し、元麦州の面々を重臣に迎える。

Episode5 丕緒の鳥(短編集)

丕緒の鳥はEpisode5になってはいますが、本編のストーリーに直接関係ない短編集。時系列もバラバラです。

新潮社の文芸誌yom yomで発表した丕緒の鳥(yom yom vol.6)と落照の獄(yom yom vol.12)に書き下ろしの青条の蘭と風信の2編を加えて刊行。刊行年は2013年で、2019年に本編最終巻 白銀の墟 玄の月 が発売されるまで長いこと最新作でした。

十二国記シリーズ自体の出版社移植後に発売になっているため、丕緒の鳥は講談社版、ホワイトハート版はなく新潮社の完全版のみ存在します。

丕緒の鳥

慶国に新王が即位し、大射の準備を命じられた冬官、羅氏の丕緒。先王の女性追放令によって親しい羅人 蕭蘭を失ったことや、新王の即位式で民に似た鵲(陶鵲)を射抜く大射の儀の意義を考えながらも、蕭蘭の残した意を汲んで大射の儀を見事成功させる。

これを最後に羅氏を辞する決意を固めていた丕緒だったが、新王に呼び出され「 今度は御簾など無しに、二人で見たい 」と語られ、矢をかわして新王陽子のもとへ飛び込む一羽の鵲を思い描く。

新潮社の文芸誌 yom yom vol.6に掲載された短編作品。

落照の獄

柳全土を震撼させた殺人鬼 狩獺の量刑を任された柳国の秋官 瑛庚は、殺刑を求める市井の声と、殺刑を停止した柳国の法と、まるで法治・政治すべてに興味をなくしたかのような態度をとる劉王との狭間で悩む。

審理行き詰まった瑛庚は、直接話を聞くため狩獺に面会する。

新潮社の文芸誌 yom yom vol.12に掲載された短編作品。

青条の蘭

前王の圧政と長い空位により荒れていた雁で、山毛欅(ブナ)の木が石化する奇病が発生。もとより使い道の少ない山毛欅だったが、石化したあとは高く売れるため多くの民はこれを売って生計を立てるようになった。

が、このまま奇病が進めば大規模な山崩れによる被害や獣害の危険性が高いことに官吏 標仲らが気づく。

標仲は仲間とともに特効薬となる草、青条を発見。新王登極の報せを聞いた標仲は、目の前の利に目がくらんだ官吏らの妨害に遭いながらも、いまにも枯れて命運つきそうな青条の苗を延王に届ける決心をつける。

丕緒の鳥刊行のためかきおろされた作品。

風信

景麒に心を奪われた女王 舒覚が慶国から女の追放令を出した。蓮花が住む街の人々は女性を外出させず家の奥に隠すことで難を逃れようとしたが、軍の飛行師による襲撃に遭い、蓮花は家族を失ってしまう。

蓮花や生き残りの女性たちは荒民として雁を目指す道中、摂養の街で国王崩御の知らせを聞く。故郷に戻る女たちとは別れ、蓮花は摂養で暦を作る役職にある保章氏、嘉慶の槐園の下働きとして暮らすことに。

浮世離れした嘉慶や部下たちの暮らしに戸惑いながらも、彼らの優しさとのんびりした生活に馴染んでいく。

そんな折、偽王とも噂される新王の軍が摂養を焼き討ちにする。それでも変わらず浮世離れした生活を続ける嘉慶らに、蓮花は怒りをぶつけるが……

丕緒の鳥刊行のためかきおろされた作品。

Episode6 図南の翼

首都連檣に住まう豪商の娘、珠晶が昇山を決心し、家を飛び出す。

道中出会った青年 利広や朱氏の頑丘の助力を得て黄海を旅し成長していく珠晶。

自分こそ王と言って憚らない、珠昌の本音は。

果たして彼女は供王に選ばれるのか。果たして供麒のほっぺたは無事でいられるのか。

珠玉の昇山劇。

Episode7 華胥の幽夢(短編集)

5編の短編を収めた短編集。うち2作品は文芸誌に掲載されたものを、3作品は作者の小野不由美が自ら同人誌へ寄稿したものを改稿。

同人誌に掲載されていた作品について、あとがきでは書き下ろしとされています。

現在販売されている新潮文庫 完全版でEpisode7扱いではありますが、丕緒の鳥と同じく一編一編の時系列はバラバラです。

冬栄

驍宗の登極後の冬頃、泰麒が漣国へ廉王・廉輪を訪ねる。

泰麒は風変りな王 鴨世卓から仕事と役目の違いを説かれ、自分自身の麒麟としての役立たずではない「 役目 」に気づく。

講談社の文芸誌、メフィスト2001年5月増刊号の掲載作品を改稿して掲載。

乗月

先の峯王を弑逆した恵州侯 月渓は、自身を仮王にと希う諸官の声を無視し、王宮にあった官邸も引き払うと宣言。

そんな折、慶国の禁軍将軍 青辛が月渓宛の親書が送られる。親書は景王からのものと、先の芳国公主にして供王の御物を持ち逃げした祥瓊からのものだった。

自身の不明を詫び月渓へ許しを乞い供王に詫びるため恭へ向かった祥瓊に、月渓は手紙をしたためる。

作者の小野不由美氏が同人誌 中庭同盟に寄稿した作品「 函丈 」の改稿版。

書簡

陽子が景王として登極して間もなく、即位の儀まであと一か月と迫ったころ。

新王の陽子と雁の大学に入った楽俊が、鸞を使ってやりとりをする。

陽子には胎果の新王ならではの苦労が、楽俊には半獣ならではの苦労があるけれど、それは伏せて少しだけ背伸びした近況を伝え合う。

作者 小野不由美氏が同人誌 中庭同盟に寄稿した作品の改稿版。

華胥

先王 扶王の暴政を糾弾し、崩御後は傾く国を支えた徒党 高斗のリーダーだった砥尚は、采麟 揺籃によって才国の新王に選ばれた。

登極した砥尚枕元において眠ると理想の国を夢見せてくれる重宝、華胥華朶を与え、「 才をお前の夢見る国に日々近づけ、いずれ理想の国にする 」と約束した。

しかし20年経っても国が采麟の理想に近づくことはなく、ついに失道。

朱夏ら高斗時代からの仲間が華胥華朶の秘密と、砥尚と自分らの過ちを悟ったときには、すでに手遅れであった。

「 責難は成事にあらず 」

講談社の文芸誌、IN★POCKET 2001年4月号の掲載作品を改稿。

帰山

法治国家として名高い柳国は、現劉王により厳格な法が運用され、120年もの治世が続いていた。

その柳国の首都・芝草で2人の男、風漢と利広が30年ぶりに再会。

お互い、酒を酌み交わしながら、会うのはいつも傾きの兆しがある国だった、と語り合う。

作者 小野不由美氏が同人誌 麒麟都市に寄稿した作品の改稿版。

Episode8 黄昏の岸 暁の天

陽子帰還の6年前、泰王の登極から半年が過ぎたころ。

戴の王宮である白圭宮に、乱を平定するため出陣した驍宗が行方不明との報せが入る。

驍宗行方不明の報せを聞き浮足立ったすきをつき、禁軍将軍 阿選が泰麒を襲撃。泰麒は鳴蝕を起こし蓬莱へ逃れるも、角を失い記憶と麒麟としての力を喪失してしまう。

鳴蝕による被害の混乱に乗じて阿選が白圭宮と政治中枢を掌握、偽王として立った。

それから6年後。和州の乱から1年が経ちようやく落ち着きを見せ始めた慶の王宮に、戴の瑞州師将軍 李斎が命からがらたどり着き、保護を求める。

李斎により泰王 驍宗と泰麒の行方不明と阿選による暴政を聞き及んだ景女王 陽子は助力を決心。

延、範を中心に各国へ協力を求めて泰麒を捜索し、蓬莱で発見。蓬山 玄君の助言を受け、延王が泰麒を十二国世界へ連れ帰るが……

Episode0 魔性の子

教育実習生としてやってきた広瀬は、不思議な雰囲気の少年 高里要に、なかなか他人とは馴染めない自分と同じものを感じ、気になってしまう。

しかし高里要自身を取り巻く謎の力により、善意をもった友人をふくめ多数のけが人と死者が出てしまう。

世間の注目を集め身の危険すら感じ始めたころになった嵐の夜、海の向こうから異形の存在とともにやってきたエンオウと名乗る人物が、高里要をいずこかへ連れ去る。

取り残された広瀬の叫びは、むなしく響くばかりだった。

Episode9 白銀の墟 玄の月

長編はこれにて完結予定。

2019年10月12日 第一巻、第二巻発売。

2019年11月9日 第三巻、第四巻発売。

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  • メーカー小野 不由美 and 新潮社
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まとめ:十二国記シリーズ原作 全巻あらすじ

はからずも胎果の王になった陽子。麒麟として王を選んだ泰麒。望んで王になった尚隆と、望まず王を選んだ六太。自ら昇山して王に選ばれた珠晶。

そして短編では描かれる官や市井の人々の生きざま。もう、壮大すぎるドラマですよね。緻密な世界観をそれぞれの立場で描く、無駄のない構成には脱帽です。

そして、長らく泰麒のその後をやきもきさせてきた十二国記もいよいよ白銀の墟 玄の月をもって完結します。

ファンとしては完結せずもっと続いてほしいところですが、小野不由美先生ご本人が長編はこれで最後と発言されていますので、長らく続いてきた陽子の物語も泰麒の物語も完結。泣いても笑ってもこれで最後なのかな。

ただ、いずれにしても短編新作の可能性は示唆されています。伏線がたっぷりまかれた柳国と、原作では王号すら明かされないほど触れられずにきた舜国も登場してくれるかもしれません。

白銀の墟 玄の月も未知の新作も、とにかく楽しみです!

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