ミノフスキークラフトってなに?【ガンダム・閃光のハサウェイ】
閃光のハサウェイに登場するΞガンダムとペーネロペーではじめて、本格的にモビルスーツに搭載されたミノフスキークラフト。
すごいのはわかるけどなにがすごいのかはわからない方向けに、ミノフスキークラフトとはなにかを解説します。
重力下で自由飛行できる魔法の技術
HOBBY SEARCH ガンプラ HGUC 1/144 Ξガンダム ©BANDAI SPIRITS 創通 サンライズ
ミノフスキークラフトは重力下で自由飛行を可能にする技術です。
非常に有意な技術ですが、ミノフスキークラフトをモビルスーツに搭載するには超えねばならないハードルが多くありました。
- 多大なパワーが必要のためモビルスーツサイズでの実用が難しい
- 生産コストがすんごい
- 空気抵抗のため出せる速度に限度がある
制限もあるしコストも高いなら普通のモビルスーツをドダイに載せるか、変形機を飛ばした方がコスパが高いって話に。
そうして艦艇クラスにはできていたのですが、やはりモビルスーツに搭載するにはいろいろとハードルが高く、閃光のハサウェイの時代に至るまで実現できずにいたのです。
実はミノフスキークラフト自体は新しい技術ではなく、一年戦争の時代には実用化されていました。
どうみても飛行に適さないデザインのホワイトベースが地球やコロニーの重力下で飛べたのがミノフスキークラフトのおかげ。
そうして艦艇クラスにはできていたのですが、やはりモビルスーツに搭載するにはいろいろとハードルが高く、閃光のハサウェイの時代に至るまで実現できずにいたのです。
ビームバリアあってのミノフスキークラフト?
モビルスーツで本格的にミノフスキークラフトを搭載したのは「閃光のハサウェイ」に登場するΞガンダムとペーネロペー(オデュッセウスガンダム)。宇宙世紀0105年頃のことです。
これら第五世代モビルスーツがミノフスキークラフトを実用化できた要因としてはビームバリアの実用化が大きな要因といえます。
Ξガンダムもペーネロペーもビームバリアで空気抵抗から機体を守ることで、空力的にとても飛べそうにもないモビルスーツが音速を超えることができるのです。
こうしてモビルスーツは音速を超える機動性と飛行能力により、重力下において絶大なる優位性をもつことができました。一撃離脱戦術はもちろんのこと、音速飛行による衝撃波そのものも武器として活用できそう。
実際のところ、Zの時代にはZガンダムやアッシマーなど変形モビルスーツ・変形モビルアーマーによる飛行はすでに実現しています。推力にものを言わせていただけだけど。
非変形機ではバイアランも単独飛行していますね。同じく大推力にプラスして徹底的に軽量化を図った特殊構造のおかげ。そもそもするだけなら一年戦争のときにはグフがドダイに載って飛んでいます。
しかし、やはり飛行速度は重要。ほかを寄せ付けないスピードがあれば一方的に接近・攻撃・離脱ができるわけですから。
さらにいえば、先述の通りミノフスキークラフト自体は一年戦争時代にはすでに確率された技術で、機体サイズさえ度外視すればモビルスーツへの搭載自体は無理ってほどでもありませんでした。
実際、移動時のMA形態限定での使用だったとはいえ、Zガンダム時代にはサイコガンダムがすでに搭載していた実績があります。
サイコガンダムはMS形態こそ約40mですが、MA形態では全長約30m程度。Ξガンダムも同じく全長30m級の大型モビルスーツです。
そういう意味では、技術革新によるミノフスキークラフト装置やジェネレーターの小型化よりも、空気抵抗から機体を守るためのビームバリアの開発がミノフスキークラフトのモビルスーツ搭載へのキーになった、といえそうです。
ミノフスキークラフトの原理
ミノフスキークラフトの原理は、機体の下に見えないクッションを積み上げて乗ることでぷかぷか浮くようなイメージです。
もともとミノフスキー粒子にはミノフスキー粒子同士で反発する性質があります。こうした性質は以前からIフィールドやビームライフルでメガ粒子を打ち出す際に利用されてきました。
ミノフスキークラフトでも粒子同士が反発する性質を利用し、たくさんのクッションを積み上げた上に機体を載せることで浮遊を可能にしているのです。
なかなかメリットの多いミノフスキークラフト。しかし、その原理上解決が難しい弱点もありました。
ミノフスキークラフトの弱点
重力下においてはもはや必須とさえ思えるミノフスキークラフトにも弱点はあります。
- 従来通り推進剤が必要
- 到達高度に制限がある
- 機体サイズが大きくなりがち
ミノフスキークラフトはあくまで機体を浮遊させる技術であり、その状態で移動するには従来通りスラスターを吹かす必要があり、推進剤が必要。なので無限に飛び回れるなんてことはありません。補給大事。
また、目に見えないクッションを積み上げるミノフスキークラフトの特性上、到達できる高度には限界があります。
実態としては各種戦闘機や空中空母であるガルダのような有翼機よりも低い到達高度だったとされています。
また、Ξガンダムら第五世代の期待に限っていえば、ミノフスキークラフトそのもの、ビームバリア、稼働パワーを稼ぐためのジェネレーターなどの搭載のため機体が大型化しがちな点が弱点だったといえるでしょう。もちろん、建造コストが高くつく点も。
ミノフスキークラフトの派生技術と弱点の克服
もちろん、これらの弱点は技術の進歩により克服されていきます。
たとえば宇宙世紀史上最強の機体を謳われるV2ガンダムに搭載されたミノフスキードライブは、ミノフスキー粒子同士が反発する力を利用して推進力を生みだす機関で、推進剤を一切消費せず飛行が可能でした。
しかも重力下で浮くためのものではなく推進システムそのものだったので、宇宙でも使用が可能でした。むしろ、半永久的に加速し続けられるため理論上亜光速も実現可能な点では、重力下よりも宇宙空間の方が有用だったとも言えます。
ミノフスキークラフトというよりビームバリアの応用ではありますが、ザンスカール帝国が地球侵攻の際に投入したビームローターもまたただ浮遊するだけでなく推進剤なしでの飛行を実現し、広大な地球を侵攻するのに役立っています。
ほか、ビームローターに対抗するためリガ・ミリティアは簡易版ミノフスキークラフトともいえるミノフスキーフライトを開発。浮遊時間や速度などに制約がありますが、コアファイターに搭載できるレベルまで小型化に成功しています。
ここまでは宇宙世紀0153年頃のVガンダムでのお話ですが、ミノフスキークラフトそのものもこれより半世紀ほど前、宇宙世紀0105年のF90の時代にはかなりの小型化に成功。F90は15m弱の小型モビルスーツで、約30メートルほどもあるΞガンダムの半分程度。
その技術は劇場版アニメ 機動戦士ガンダムF91に登場するF91やクロスボーン・バンガードの諸モビルスーツなど新世代のモビルスーツに引き継がれることとなりました。
数千年後も使われた技術
なお、ミノフスキークラフトやミノフスキーフライト関連の技術は宇宙世紀の遥か未来も登場しています。
たとえばGのレコンギスタの舞台となる時代、R.C.(リギルト・センチュリー)ではメガ・ファウナの飛行時にミノフスキーフライトが使われていますね。
ただ、これが上記ミノフスキークラフト、ミノフスキードライブ、ミノフスキーフライトなどのシステムを厳密に使い分けた言葉なのか、単純に「ミノフスキー粒子を利用した技術で飛ぶ」という意味で使っているのかは不明。
なんせリギルト・センチュリーはアムロたちが戦った宇宙世紀から最低でも千年以上は経った未来。しかも各種技術も人類の歴史上一度封印されているので、ちゃんと区別されて伝わっているか怪しいところ。ヘルメスの薔薇の設計図次第ですね。
ちなみに、閃光のハサウェイ原作小説の上巻11章の章タイトルも「ミノフスキー・フライト」となっており、Gレコの場合も単純に「ミノフスキー粒子関連の技術で飛ぶ=ミノフスキーフライト」といっている気がする。]
まとめ:ミノフスキークラフトとは?
- ミノフスキークラフトは地球やコロニーなど重力下でも空力を無視して滞空、飛行するための技術
- ミノフスキー粒子のクッションをたくさん積み上げてその上に乗るイメージで滞空する
- 本格的にモビルスーツで搭載されたのは閃光のハサウェイの時代、Ξガンダムとペーネロペーが初
- ただし、一年戦争時代にはすでに実用化されており、ホワイトベースやなどザンジバルなど戦艦で利用されていた
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