圧倒的な音楽と映像体験 – 竜とそばかすの姫レビュー&感想

2021年8月20日

遅ればせながら、細田守監督の最新作 竜とそばかすの姫観てきました!

スタジオ地図ものは全部観てる私としては竜とそばかすの姫を外す理由がない!

ネタバレなしで軽く感想をば。

結論、めっっっちゃくっちゃ面白い

竜とそばかすの姫 公式サイトより ©︎スタジオ地図

音楽が映像が演出がスゴイ!

結論からいえば、若干引っかかるところはあったけど超面白い映画でした。

同じく仮想世界を題材のサマーウォーズと比較すると、ストーリー面ではサマーウォーズ音楽・映像面では竜とそばかすの姫の方が完成度高い、って印象。

(描いているものが違うので単純比較はできないけれど)

音楽や映像面では、歌、音楽、演出が抜きんでていた竜とそばかすに軍配。

今作は歌がテーマだし音楽とライブ部分の演出に気合入って当然ですけど、川の表現とかもうそれは素晴らしかった。

ストーリー面ではちょっとおや? ってひっかるところがあって、その点無駄がなく王道なサマーウォーズに軍配。

竜とそばかすの姫はエンターテインメント映画として本当に素晴らしい。忘れられない映画になりそうです。

さきに観た方の声で音楽と演出がスゴいと評判だったので、近くの映画館で済ませずにIMAX Laser導入してる映画館まで車走らせたんですよ。結果大正解でした。

音楽と演出、3Dと2Dの融合が素晴らしい

テーマがテーマだけに音楽や歌がスンバラしい。特に素顔のすずの心情を唄った「歌よ」と「心のそばに」がとても好き。

「歌よ」は竜とそばかすの姫の骨子となる曲ですよね。普通の、いや普通よりも少し鬱屈したすずのオリジンであり、すずが歌姫ベルになりゆくストーリー性に富んだ素晴らしい楽曲です。

アナと雪の女王の劇中歌 Let It Goとか、モアナと伝説の海の劇中か How Far I’ll Goのような、静かに始まってスケールが大きくなるエモい楽曲。

こんなふうに言っては失礼かもですけど、「歌よ」に作中の美女と野獣オマージュな設定や描写が相まり、ディズニーリスペクトを強く感じました。

もう一曲、「心のそばに」は物語に寄り添った優しさと切なさに満ちた曲。劇中は演出も相まって涙をこらえるのが大変でしたよ。あんな演出は汚い!

先生! また細田くんが全日本ちゃんを泣かしました!

2Dと3Dの使い分けとCGの融和

個人的に注目したのが、現実世界と仮想世界Uでの2Dと3Dの使い分け。本作 竜とそばかすの姫では現実世界は2Dで、仮想現実世界のUは基本的に全部3D。

思えば交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューションの二作目 ANEMONEもそうでしたけど、過去と現在とか仮想現実世界と現実世界を行き来するような作品ではこうした使い分け、親和性がめちゃくちゃ高い!

実際作中の現実世界に住むすずたちからもこういう風に見えてるのかな、って思えちゃうし。脱帽です。

私個人的にはアニメは2D派なんですけど、3Dもこういう使い方をされるとイヤと言いようがないんですよね。最近はゲームなんかでもみられますけど、3Dなのに2Dっぽく見せる技術なんかも進んでいるし、そろそろ2D派とか3D派とか言ってる時点でナンセンスかもしれません。私もいい加減気持ちを改めなければ。

あと個人的にスゴイと思ったのが現実世界での川の描写。川のゆらぎが反射して橋の裏側に映るシーンがあったんですけど、これがものすごいリアルだったんですよね。CGで描き込んだんだと思うんですけど、2DアニメとCGを切り分けて考えるじゃなくて、融和させて昇華させている素晴らしい描写でした。

毎度毎度、キャラクターの魅力で心が痛い

もうね、スタジオ地図のキャラクターは毎回ズルいよ。アオハルっぽくてムズムズする。この子たちが現実に存在しないなんて信じられない信じたくない。

美少女なのに嫌味がなくて純粋で誰にも優しい恋する乙女ルカちゃんかわいい。超かわいい。Usもかわいかった。

イケてない主人公 すずもやっぱり魅力的だし、すずの親友ヒロちゃんもいい。ハイスペックなPC&マルチモニター前で高笑いするところとかネジ飛んじゃってて最高。

ついでにアホな熱血JDかみしんもアホカワイイ。かみしんは特に女性に人気出そうなキャラクター。

気になった点もある

気になったというか、引っかかった点もあります。すでに観た方向けでネタバレを含むのでボカして隠してます。

ボカシ部分をタップ or クリックで表示されますので、既に観た方、ネタバレOKな方はどうぞ。

不満も吹き飛ばす圧倒的エネルギー

でも、そうした細かい不満をふっとばすのが映画のエネルギー。

もちろん細かいアラもないのが理想ではありますけど、映画にはそんなことをはどうでもいいぜ! って勢いも大事だと思うんですよね。

その点、竜とそばかすの姫には細かい引っかかりも全部ふきとばす中村佳穂さんの歌、音楽、映像、演出があります。

もちろんすずやキャラクターたちの心情描写もすごいんですけど、心揺さぶる歌と映像、竜とそばかすの姫はまずなにより圧倒的なエンタメ映画だと思います。

まとめ:竜とそばかすの姫 感想

正直、今回引っかかりが〜とか不満の部分は書こうか迷ったんですよ。本当に小さな小さな引っかかりなので、正しく伝えられるか心配なので。

本当に素晴らしい映画なので、まだ観るか迷っている方がいたらぜひ映画館で。できれば音響設備がいいところで。