時空検閲官の部屋の意味 – トップをねらえ2!

時空検閲官の部屋の意味 – トップをねらえ2!

トップをねらえ2!の最終話 あなたの人生の物語の終盤、突然出てきた多元宇宙内 時空検閲官の部屋。

突然の展開についていけないのではないかと思いますが大丈夫、私も初見のときは全くついていけませんでした。

しかし、ブラックホールとか特異点についていろいろ勉強した結果、時空検閲官の意味はなんとなく知ることができたので、さっくり解説。

突然出てきた時空検閲官の部屋

アニメ トップをねらえ2! OVA第6話 「あなたの人生の物語」より ©GAINAX / トップ2制作委員会

突然出てきた時空検閲官の部屋ってなんなんだ!

結論、時空検閲官の部屋は「ラルクと話したノノの意識空間」を指し示しています。

ラスト、トップレスの超・能力的な力でノノとラルクは意識がつながり、会話していたのです。

で、時空検閲官の部屋の元ネタは宇宙検閲官仮説。物理学に実在する仮説です。

ノノの意識と物理学とどんな関係があるんだ、ってことを知るためには、エグゼリオ変動重力源が持っていたブラックホールがどういう状況だったか知る必要があります。

簡単に説明をするために、時空検閲官の部屋が出てくる少し前のセリフをもろもろ振り返ってみましょう。

ブラックホールと特異点がカギ!

まず作中のセリフで状況を整理してみましょう。

艦橋オペレーター「シュヴァルトシルト面が崩壊していきます!」

アンドロイド参謀「ありえない、ブラックホールが割れる。この宇宙では許されないことだ。このままでは、特異点がむき出しになる!」
ザハ司令長官「なんてこと、第二のビッグバンがはじまるの?

アンドロイド参謀「観測不能です。特異点では、われわれの知るあらゆる法則も方程式も破綻します。物理的に意味を持たない領域ですから。」

OVA トップをねらえ2!より

重要な単語は太字にしておきました。なんとなくピンチだなー、って感じは伝わりってきますが、ちゃんと紐解いてみましょう。

まずシュヴァルトシルト面とは、何ものもブラックホールから逃げられなくなる境目だと思ってください。いわゆる事象の地平線です。光すら逃がさないので、抜け出すことはもちろん、光の反射による視覚的な観測も不可能です。だからブラックホールは黒い。近い専門用語ではシュヴァルトシルト半径とでしょうか。

つぎに特異点はブラックホールの中心、もしくはもっとも重力が強い場所。特異点では重力が無限となり、あらゆるものが一点に押しつぶされています。

実在する宇宙検閲官仮説

アニメ トップをねらえ2! OVA第6話 「あなたの人生の物語」より ©GAINAX / トップ2制作委員会

むき出しになった特異点を包むノノの手

細かい解説はwikipediaの方が断然詳しいし長いので譲りますが、ブラックホールの特異点はこの宇宙の物理法則を崩壊させるものです。アンドロイド参謀が語った通りです。

そして、もし裸のままポンと現れたらこの宇宙は終焉を迎え、新しい宇宙が誕生するといわれています。

(だからシュヴァルトシルト面が割れたとき、ザハ司令長官は「第二のビッグバンが〜」と焦った)

しかし、特異点が裸のまま出てくることはありません。

事象の地平線をまとうブラックホールのように、「何かしらの物理法則によって必ず覆われるため、裸の特異点は自然には存在しない」とする仮説が「宇宙検閲官仮説」です。

ノノ「時空検閲官だ! 手を上げろ!」

アニメ トップをねらえ2! OVA第6話 「あなたの人生の物語」より ©GAINAX / トップ2制作委員会

地球を守るため、憧れのノノリリが作ったブラックホールの特異点を別の宇宙へ持ち去るノノ

といっても、「まるで何者が検閲して隠しているみたい」ってことで宇宙検閲官と名付けられているだけ。実際に宇宙パトロール隊的な存在を謳う仮説ではありません。

ただ、トップをねらえ2!の制作陣が「宇宙検閲官」ネーミングを面白がってノノを時空検閲官に仕立て上げました。

実際、シュヴァルトシルト面が割れて裸になりかけた特異点をダイバスターの手で隠し、別の宇宙へ持ち去ることで地球と宇宙を守ることに成功したノノは、時空検閲官の名に相応しい働きをしたといえます。

宇宙検閲官ではなく時空検閲官と名前が微妙に違うのは、現代から永い年月を経て言葉が変わってしまったからでしょうきっと。なにせ21世記からは1万2000年もあとの世界ですから。

(余談ですが、「オカエリナサイ」の「イ」が左右反転していたのもカタカナがちゃんと伝わっていなかったためらしい)

で、ノノは最後にラルクとテレパシー的な能力でお別れを告げるわけですが、ノノは「時空検閲官」なのだから、ノノの意識は「時空検閲官の部屋」ってことにされたわけですね。

「検閲官」がいるなら部屋もあるだろう、という制作陣の遊び心だったようです。

マホガニーの机を並べたり本当に検閲官っぽい部屋にしようとも考えたそうですが、トップをねらえ!っぽさを重視してワープ中っぽい絵になったとか。

まとめ:時空検閲官の部屋の意味

で、最終的にノノは自身の縮退炉を使って特異点を生み出し、裸になりかけたエグゼリオブラックホールの特異点を別の宇宙へ持ち去ることでラルクたちのいた宇宙を、地球を救ったわけです。

憧れのノノリリ=ノリコが人類を救うために造った特異点を、ノノが人類と地球、ノリコの願いを守るために持ち去る。

時空検閲官の意味はともかく、最後はかなりエモい展開ですよね。

ブラックホールについて偉そうに書いてみましたけど、万年勉強不足な私なぞが宇宙物理学なんておこがましい。いろいろ間違いがあるかもしれません。その辺は平にご容赦を。

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