【ネタバレなし】スターウォーズ EP9:スカイウォーカーの夜明け観てきた感想

スターウォーズ EP9:スカイウォーカーの夜明け観てきました。

率直なところ前作のEP8:最後のジェダイがかなりイマイチだったので期待していませんでしたが……

結論からいえば、スターウォーズ EP9:スカイウォーカーの夜明けは超面白かった。とても星戦争々々々してた。これはよいスターウォーズ。

ちゃんと公開当日に行った自分をほめたいと同時に、年末は家にこもりたいからって不信心な気持ちでいった自分を叱りたい。めんどくさいなどと言ってる場合じゃない。これは年末にもう一度観に行かねば。

テンポのよさとファンサービスがすごい

スターウォーズ EP9:スカイウォーカーの夜明けで特によかったのが、密度と精度の高いファンサービス

ネタバレなしなので細かいところまでは言及しませんが、スターウォーズファンなら間違いなくテンション上がる要素がふんだんに盛り込まれています。

しかもそのテンポたるや。怒涛のラッシュなのに嫌味じゃないのは、ただ雑に散りばめるのではな、ちゃんとストーリー展開で活きる形で巧みに組み込まれてるからでしょうか。

そしてスターウォーズらしい要素も無理なく散りばめられている。ライトセイバーの殺陣とフォース対決、大規模な艦隊戦とドッグファイト、宇宙SF映画ならではの冒険感、ブラスター銃撃戦……etc

まさにスターウォーズのフルコースって感じ。しかもラストのラストにくるあのシーン。デザートは巨大スターウォーズパフェだった。

ストーリーも王道だし、レンちゃんのめんどくささも磨きがかかってるし、いろいろ謎だったの要素もちゃんと解決したし、スターウォーズとしては新しい演出もあったし。大満足です。

過去に縛られたEP8と好対照のEP9

期待はずれだったEP8:最後のジェダイと面白かったEP9:スカイウォーカーの夜明けとの差がどこにあるかって、過去に縛られてしまったか過去の資産をうまく活かせたかにあるのではないでしょうか。

率直なところ、EP7:フォースの覚醒もEP8:最後のジェダイも制作上の都合・制限とファンの期待値とに板挟みにされて制作されたような、窮屈な印象がぬぐえませんでした。すごく無理にEP4 ~ EP6に寄せている感。

しかし、オリジナルトリロジーの旧三部作はいろいろな要素が奇跡かってぐらいにバランスよく調和した超傑作。バケモノです。やろうと思って簡単にできるものでもないでしょう。

EP7、EP8はそんなスターウォーズをなんとか真似しようと具を鍋に詰め終わったところに、ドボーンと雑に新しいテーマを放り込んで、あふれてヤケド。そんな印象。

スターウォーズを楽しむEP9

その点、EP9:スカイウォーカーの夜明けはとてもスターウォーズらしいド王道。ひねりなし!

「 スターウォーズだからやらなきゃ 」ではなく「 観客を楽しませる王道だからやる 」感がひしひしと伝わってきて素直に楽しい。

みんながスターウォーズに求める要素、たとえば宇宙を巡る冒険、ライトセイバーの殺陣とフォースの戦い、ドッグファイト、大規模な艦隊戦、ブラスターの銃撃戦、背中からぞわぞわと立ち上るカタルシス、いつもの屈託しすぎてめんどくさいカイロ・レンちゃん。

これらを鍋にポンポンポンポンと要領よく放り込んで、王道の味で仕上げる。詰め込み過ぎてこぼれても気にしない。

もちろんツッコミたくなるところもあるけれど、「 こまかいことを気にするな、それがスターウォーズだから 」とごまかさず開き直ってる感が、むしろスターウォーズっぽくていい。

気になったのは尺の不足感、だけど

スターウォーズ EP9で気になったのは、尺が足りず描き切れなかった感

テレビアニメを総集編にまとめた劇場版のような速さでストーリーが展開していく面がありました。

EP9を前後編で分けて2作は作れるんじゃないかってほどのボリュームがぎゅっと詰め込まれている。きっとこれはもっと掘り下げたかったんだろうなぁ、と感じる場面もたくさん見受けられました。

それでいてテーマがぼやけていなかったのは、本当に大事なコア部分だけはきちんと残されていたからでしょうね。あんなテンポの速さで描きたいことを理解させてる手腕は本当にすごい。

ファンサービスな展開も巧妙な展開でストーリーに馴染んでいてそこだけ浮いたりしないし。

その点、EP8での盛大な空回りが悔やまれます。EP8をある程度整理してEP9で描いた一部をもっていけたら、もっと掘り下げられたんじゃないかと。

ただ、もしかしたらEP9でみせた展開の速さこそ面白さの秘訣なのかもしれません。

ひとつひとつのシーンや要素をじっくり丁寧に描くのではなく本当に重要な部分以外をどんどん削ぎ落したおかげで、より多くのスターウォーズらしい要素とファンサービスな展開を盛り込むことができた。

しかもそれらがテンポよくポンポン飛び出す密度の高さ。いま思えば、それこそがEP9:スカイウォーカーの夜明けの面白さにつながったようにも思えます。そういう意味ではこのスピード感は大成功といえる。

思い返せばアベンジャーズ4 エンド・ゲームも特に序盤はテンポがすごくよくて、細かい部分は観客の想像力に任せた面もあった。その辺、スターウォーズ EP9:スカイウォーカーの夜明けも少し似ていたかも。

まとめ:スターウォーズ EP9:スカイウォーカーの夜明け観てきた感想

ごまかされてるって感じもなく、嫌みな感じもなく、ただただスターウォーズスターウォーズしていて楽しい映画

それが今作、スターウォーズ EP9:スカイウォーカーの夜明けに思えます。新三部作の最後を、スカイウォーカー伝説の最後をかざる、最高のフィナーレでした。

スターウォーズの新作って作る側も演じる側も観る側もおそるおそる不安なところがあると思います。

その点、本作EP9:スカイウォーカーの夜明けは漠然とした「 スターウォーズらしさとはなにか 」という難しいテーマに対するひとつの答えとして、映画スターウォーズの道筋を切り拓いた。そんな風にも感じられる。

EP9 スカイウォーカーの夜明け、EP8でがっかりしてしまったファンのみなさんにも映画館でご覧になっていただきたい。そんな仕上がりです。ぜひ。