閃光のハサウェイの裏側で起こっていたこと、起こっていること

2024年1月9日

魅力的なキャラと、ガンダム史上最高峰と名高いUCやサンダーボルトをも追い抜かんとするハイクオリティな映像で魅せた劇場版 閃光のハサウェイ。

発売から数十年経つ原作にかなり忠実なこともファンの間では話題でした。

そんな劇場版 閃光のハサウェイでは描かれなかった出来事や設定をご紹介します。

あくまで原作で明かされた設定部分であり、大きなネタバレはないつもりです。

が、映画が完結していない以上どのような形でこれらの設定が出るかは不明。

ネタバレに厳しい方は緊急回避、上げ舵いっぱい!

ブライト艦長の引退とロンド・ベル

愛すべき苦労人、ブライト・ノア艦長

我らが苦労人、ブライトさん 機動戦士ガンダムUC RE:0096 第13話 戦士、バナージ・リンクスより © 創通・サンライズ

なにやってんのォ!

劇場版 閃光のハサウェイ 第1作目にはブライト艦長は登場せず。

しかし原作ではこの頃、ブライトさんは軍を除隊し引退することを考えていました。

小さなレストランでもやってミライとゆっくり暮らすか、なんて計画も立てていました。

劇場版 閃光のハサウェイでは描かれていませんでしたが、原作である小説版 閃光のハサウェイではその辺りの事情がハッキリと描かれています。

計画どころかすでに除隊願いを出し、物件下見の予約まで済ませていたところ。

思い切りと行動力はさすがブライト&ミライ夫妻。ホワイトベースに乗り合わせた一年戦争から続く歴戦の勇者ですからね、二人とも。

でも料理できるっけかブライトさん。塩不足で味の薄い料理ばっかり出てきそう。

しかし残念ながら、マフティー ・ナビーユ・エリンがまた世間を賑わせてしまいます。しかもモビルスーツで市街地戦。

こうなるともう、独立部隊ロンド・ベルも司令たるブライトさんもヒマしてはいられません。彼らもまた、アデレードで行われる閣僚会議の警備のため呼び寄せられてしまうのです。

奇しくも劇場版 閃光のハサウェイ第2作目のサブタイトルはサン・オブ・ブライト。

ハサウェイを支えたケリア・デース

ハサウェイの恋人ケリア・デース 劇場版閃光のハサウェイより

ハサウェイと会えて嬉しそうなケリア・デース 劇場版 閃光のハサウェイより © 創通・サンライズ

……クェス・パラヤを思い出したんでしょ?

劇場版 閃光のハサウェイのラストに出てきて、ハサウェイがビミョ〜な顔を向けたオレンジ色の坊主頭の女性。それがケリア・デースです。ですでーす。

ですですでーす、なんてバカにしちゃいけません。

このケリアこそ、クェスの死を引きずったハサウェイの最も辛い時代を献身的に支えた女性です。

しかもハサウェイがテロリスト化してからも、ただ一緒にいたいがためにマフティーに入りました。

めちゃくちゃ尽くす系の女性です。

で、そんな女性がいるにもかかわらず仲間を危険に晒してまでポッと出の女に入れ込んだヤツがいるらしい。

とんでもねぇクソ野郎だな。

ギギとパトロン「伯爵」

魔性の女ギギ 劇場版閃光のハサウェイより

ギギかわいいギギ 劇場版 閃光のハサウェイより © 創通・サンライズ

本当の私の姿は、汚らわしいでしょう?

閃光のハサウェイのヒロイン、ギギのパトロンである「伯爵」

「伯爵」は80を超える老人とされる老齢ですが、実際ギギとの肉体関係もゼロではありません。

そう頻繁ではなかったものの時折そうしたこともあったと明言されています。

そういうことです。

ただ、口ではそうは言っても、ギギ自身は「伯爵」との関係をただ汚らわしいものと捉えてはいない節があります。

上流の人間である「伯爵」のために、上質で品のいい環境を揃えるのもギギの仕事。

むしろ肉体関係を持つことの方が珍しく、どちらかと言えば「伯爵」のプライベート面を演出し支えることこそギギの主な仕事だったようにも描かれています。

さらにいえば、ギギと「伯爵」との間には家族に近い信頼関係があり、ギギが自分自身を卑下したり「伯爵」を軽蔑するようなことありませんでした。

そうした特異な環境においても自信にあふれたさまもまた、ギギの魅力ですね。

誤解を恐れずにいえば、愛人のくせにカッコいい。愛人っていっても「伯爵」に正妻がいるのかも不明。

なので、もしかしたらただの歳の差カップルってだけの可能性もあります。

マフティーの黒幕「クワック・サルヴァー」

組織の名を冠してマフティー・ナビーユ・エリンなんて呼ばれ、マフティー全体のリーダーを務めるハサウェイです。

ですが、実はマフティーにはクワック・サルヴァー将軍なる黒幕がいます。ちなみにクワック・サルヴァーの意味は「いんちき医者」なんだそう。

正体は不明ですが、連邦軍の地球方面軍の要職についていた将軍らしい。

そうしたコネがあるからこそモビルスーツや数々の物資を用意できたのでしょう。

原作小説でも、マフティーの拠点になりうる場所のデータを連邦軍のデータベースから消し、捜索の手が伸びないよう裏工作しているとも書かれています。

ちなみに作中、捕らえられたガウマンがケネスによる尋問でマフティーはクワック・サルヴァーこそが黒幕と口走っています。

が、「インチキ医者ってなんだこの野郎ふざけてっと処刑すっぞゴラァ!」と、ケネスに取り合ってもらえませんでした。

ホントのことなのにかわいそう。

なお、劇場版の尋問シーンではこのくだりがカットされ、ガウマンはクワック・サルヴァーの名は出していません。

裏ではUCの出来事も進行中かも?

おもちゃだいすきクラブより

年表でいえばこれから公開されるUC2と閃光のハサウェイで描かれる事件って時期的にかなり近いんですよね。

マフティー事変がU.C.0105で、UC2はU.C.0106

つまりUC2は閃光のハサウェイの翌年の出来事です。

となってくると、劇場版 閃光のハサウェイ2作目、3作目でUCの面々が関わってくるようなオリジナルな展開も可能性としてはあり得ます。

閃光のハサウェイとUC2は宇宙世紀年表上ではたった一年の違い。企画時期も被ってますから、十分ありえる話です。

ただ、すでに公開された劇場版 閃光のハサウェイ1作目がほぼ原作通りな点を考えるといまからUCの面々が直接関わってくるのはちょっと難しいかも?

閃光のハサウェイは主に地上での事件が描かれていますけど、UC2はまず宇宙がメインでしょうし。メガラニカとかジオン共和国とか。

小ネタはありそう

とはいえ、細かいところでラジオでUC2の前フリとなるようなニュースが読み上げられるとか、そうした細かい演出はありそう。

あと、逆にUC2が閃光のハサウェイで描かれた事件の影響を受けることは十二分に考えられますね。

結局閃光のハサウェイ原作でも正体が明かされずじまいだったクワック・サルヴァーや伯爵が登場したり、レーン・エイムやマフティーの面々がUC2でも出てきたりとか?

やりすぎるとUCじゃなくて閃光のハサウェイの続編みたいになるから自重するでしょうし、過大な期待は禁物ですけれど。

その辺はともかく、さすがにケネス大佐やギギは再登場しなそう。観たい気はするけど変に出て欲しくないですよね。

セイラさんみたいな塩梅ががちょうどいいのかな。

ただ、なにより気になるブライトさんの動静だけは超気になる。ぜひその後も描いて欲しい。あんなラストでは人に品性を求めるなど絶望的だ!