逆襲のシャアでギュネイは死亡してる?

2024年1月9日

不朽の名作 機動戦士ガンダム 逆襲のシャアはアムロやシャアの生死がはっきり描かれず、議論を呼んだ作品です。が、影に隠れてもうひとつ謎が。

ネオジオンの強化人間 ギュネイ・ガスの生死です。

アムロとシャアの影に埋もれてあまり話題にもならなかったけど。

結論、ギュネイは死んでる

被弾、爆発するギュネイのヤクト・ドーガ

被弾し爆発するギュネイのヤクト・ドーガ 機動戦士ガンダム 逆襲のシャアより © 創通・サンライズ

結論からいえばギュネイは戦死しています。ギュネイヲヤッタノ!?

ネームドにして強化人間ってわりにあまりに呆気なすぎだし、被弾シーンも一瞬すぎてわかりにくいけど、ヤクト・ドーガの上半身は無事なようにも見えます。

しかし残念ながら、ギュネイ・ガスは死亡しています。脱出したとかでもない。

仮にもネームドなのに、いくらなんでもあっさりすぎない?

そんなだから若い男は嫌いなんだ!

なので、逆襲のシャアの正当続編といえる閃光のハサウェイにも機動戦士ガンダムUCにも「実は生きてました!」と登場したりしません。

(劇場版 閃光のハサウェイはまだ製作中だし、生存設定に変わる可能性はあるかもだけど)

電波同士、ギュネイとクェスはあの世でよろしくやって欲しいところ。

しかし残念ながら、閃光のハサウェイでハサウェイがクェスの声を聞いてるので、多分クェスもニュータイプとして魂を残してるっぽい。ギュネイは無理だろうな……

最後の最後にハサウェイとわかりあえた(?)おかげかもしれません。

ハサウェイも大概電波くんなので、閃光のハサウェイ劇中で聞いたクェスの声はニュータイプ的な能力によるものじゃなくてただの幻聴の可能性もあるけど。

あっけなすぎる戦死は脚本変更のせいかも

残念で嫌われる若者ギュネイ・ガス

あまりにあっけなすぎる最期を迎えたギュネイ 機動戦士ガンダム 逆襲のシャアより © 創通・サンライズ

ギュネイ・ガスの死があっさりし過ぎなのは初期脚本から改変されたための可能性があります。

実は劇場版 逆襲のシャアにはボツになった初期脚本を小説とした「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン」が存在します。

ここではギュネイ・ガスはグラーブ・ガスと名前が違いながらもほぼ同じような性格、同じような役回りとして登場。

(以下、ややこしいのでベルトーチカ・チルドレンのグラーブも基本ギュネイと書きます)

ただ、ベルトーチカ・チルドレン作中ではギュネイ死に方が全然違うんですよね。ネタバレになるのであまり多くは語りませんが、少なくとも劇場版 逆襲のシャアのようにあっさりではありません。

チェーンの代わりにヒロインを務めるベルトーチカに絡み、もっと重要なシーンで死ぬことになります。チーン。

ただ、ベルトーチカ・チルドレンではベルトーチカがアムロの子どもを身ごもっている設定が偉い人たちに「ヒーローとしてのアムロ像が壊れる」と却下されたために妊娠設定が削除され、ヒロインもチェーン・アギに変更。

実はギュネイの死にはベルトーチカの妊娠と関わりがあったため、死亡シーンも変更になっています。

そのために、劇場版 逆襲のシャアではギュネイの死があっさりになってしまったものと思われます。

(ギュネイ死亡シーンが変わった理由は私の推測ですけど、ベルトーチカ・チルドレンが逆シャアの初期脚本であることや偉い人の反対によって妊娠設定が削除されたのは公式に語られたお話です)

実は閃光のハサウェイの原作小説は、劇場版 逆襲のシャアではなくベルトーチカ・チルドレンの続編。

ギュネイの死以外にもクェスの死やハサウェイのチェーン殺しなど、閃光のハサウェイにもつながる重要な部分が劇場版と異なっています。

ただ、劇場版 閃光のハサウェイではなくあくまでも劇場版 逆襲のシャアの続編ということになっているため、「チェーンを殺したハサウェイが無罪放免されている」などちょっと無理があるのでは? と思うところもあったり。

そうしたところも別途まとめていますので、ご興味ある方はぜひご覧ください。

余談1:よそ見しがちなギュネイ

不法投棄(パージ)されるνガンダムのバズーカとシールド

「目の良さが命取りだ!」 機動戦士ガンダム 逆襲のシャアより © 創通・サンライズ

ちなみにギュネイの敗因はよそ見。

アムロがパージしたνガンダムのニュー・ハイパー・バズーカに気を取られたところを、ビームライフルで射撃されて死亡。

(ノリスさんに「目の良さが命取りだ!」って怒られそう)

先述の通りベルトーチカ・チルドレンでギュネイにあたるグラーブは違う死に方をするのですが、実はよそ見しがちってところはギュネイと同じ。

ベルトーチカ・チルドレンも劇場版 逆襲のシャアと大筋の流れは同じで、序盤のフィフス・ルナでアムロとギュネイが対戦。

アムロはビームライフルを手放した状態で撃ち、ギュネイがビームライフルに気を取られたスキに接近、ビームサーベルでギュネイ機を中破まで持ち込みました。

ベルトーチカ・チルドレンの時代からギュネイはよそ見しがちだったのです。

とはいえ、パージされたバズーカを警戒したギュネイの判断が必ずしも間違っていたともいえません。

実際のところ、ニュー・ハイパー・バズーカはワイヤー式で遠隔射撃も可能な兵装です。逆襲のシャア劇中でもシャアのサザビーとの交戦でパージしたと見せかけて射撃しています。

そもそもアムロ、リモート射撃はオハコなんですよね。内部で生身でシャアと撃ち合うときもバズーカをワイヤーで遠隔射撃してたし、なんならファーストガンダムのラストシューティングから遠隔射撃やってる。

そういう意味では、νガンダムのバズーカを無視していたらそれはそれで危険な状況。警戒して正解です。

それで気が散ってνガンダム本体への警戒が薄れてしまったのが命取りでしたが、そもそも並みのパイロットなら出会い頭のバルカンで撃破されるので、アムロのシールドに一撃食らわせただけ善戦だったといえます。

強いてギュネイのミスを挙げれば、挑む相手を間違えた。そもそもガンダムに乗ったアムロを相手にしてはいかんのです。これはシャアにもランバ・ラルにも黒い三連星にもコンスコンにも言えることですけれど。

余談2:アムロの戦法を受け継いだハサウェイとよそ見のレーン

ベルトーチカ・チルドレンでみせたビームライフル囮戦法、ハサウェイが使ってますよね。劇場版 閃光のハサウェイ、原作小説では上巻でのこと。

海上でのΞガンダム vs ペネロペーの一騎討ちで、ハサウェイはΞガンダムのビームライフルを手放しで発射。

ハサウェイがアムロの戦法を真似した瞬間です。

ただ、劇場版 逆襲のシャアでもベルトーチカ・チルドレンでもハサウェイはこの戦法は見ていないので、単純にってことでしょうか。それともアムロの電波受信したのかな。フルフロンタルこと全裸さんみたいにん。

なお、レーン・エイムは見事に策略にハマり、ビームライフルをΞガンダムと勘違いし射撃、爆発を見て撃墜したと油断。

直後にΞガンダムガンダムのファンネルミサイルを浴びて海に墜落しました。

レーンくんがギュネイの二の舞を演じたた瞬間です。これだから強化人間は。もとい若い男は。