竜とそばかすの姫の疑問点を考察 – アンベールの正体とか
竜とそばかすの姫、観てきた。よかった。面白かった。面白すぎてIQ下がりそう(もう下がってる)。
本当によかったのですが、ちょっと引っかかる部分や疑問点があったので考察。
野暮は承知のうえで吐き出させてください。
ああなるべく物語の核心には触れないようにしていますが、すでにご覧になった前提で書いているため、多少のネタバレを含みます。
未鑑賞でネタバレ好きじゃない方は、Uからログアウトしなきゃアンベールしちゃうぞ!
なんだこのテンション。
おいジャスティン、アンベールどこで手に入れた?
竜とそばかすの姫 公式サイトより ©︎スタジオ地図
Uの正義を標榜するジャスティンが、アンベールの力をどう入手したかが非常に気になる。
もともとジャスティンは「Uの世界にも警察的な存在が必要」とUの創造主たるVoicesにかけあうも「Uに必要なものはすべて整っているので不要」と断られ、非公式の自警団として活動しています。
つまりジャスティンが持つアンベール装置も非公式なんですよね。いうなればアンベールはUの運営に意志に反しプログラムをハッキングしたチート、的な存在です。
しかも、本来ネット、それも仮想現実世界上ではプライバシーとして守れられるべき本人の顔、体型という個人情報を強制的に晒すなどあっていいはずがない。
そんなものを振り回す自警団を黙認している時点で、Uのプライバシー保護に対する意識の低さがうかがえます。
セキュリティ(笑)なOZも大概でしたけど、プライバシー(笑)なU、私なら怖くて使えません。顔出し個バレ絶対イヤな世代なので……
とはいえ、そもそもU自体が、アンベールといったハックも許容してしまう超自由放置運営の可能性も高い。
警察的な存在がない時点で、そもそもアンベールなども取り締まる気がないとすらいえます。許容したわけじゃないけど、現状取り締まる手段がない的な。もしくはジャスティス自体がまだできたばかりの組織で、運営も状況を把握しきれていないとか。
個人情報を取り扱う企業としてはかなり致命的な気もしますけど、ネットってそういう自由さも必要って意味では、ありな気はします。怖いけど!
あとはジャスティンのアンベールをU運営も黙認せざるを得ない大人の事情もありそうですね。たとえばジャスティンのスポンサーのなかにU運営の親会社が入っている的な。親会社としても警察機構的なのは欲しいけど、U運営との兼ね合いもあって折衷案としてジャスティンに自警団をやらせているとか?
もしくはショーのひとつとして「竜」を追うジャスティンを企画し、独自にアンベール機能をねじ込んだとか。子会社のU運営としても黙認せざるを得ませんよね。親会社じゃないにしたって、なんらかの政治的な圧力とか、刺激的なショーを求めるユーザーに迎合し、ジャスティスらの行動黙認したとも考えられます。
いくら語っても結局推測の域は超えないので、公式がなんらかの形で設定を明らかにしてくれれば、と思うのですが。
虐待現場にすず一人送る大人たちにモヤっと
続いて終盤のお話。
虐待現場にすず一人で行かせた大人たちにモヤっとです。
いくらすず本人が願ったことだからって女子高生一人で行かせるって……
言ってしまえば他人な合唱団の面々はともかく、唯一の保護者である父もあまりに冷たい。私の知る役所広司さん(すずの父役)なら地元の駅で待つなんてそんなことしない。
サクッと有給取ってこっそりついていって、終わったのを見届けてスッと傘を差し出してくれる。
もちろん、父がすずを一人で行かせたのだって、きっと彼女を深く深く信じてのことでしょう。
でもいくらなんでも一人で、っていうのは……でもでもだってぇ、なんて思うのは私がつまらん大人になってしまったからでしょうか。
人を助けるために自分を犠牲にした母の行動を理解し、すずが立ち直るためにも、またすずと同じティーンズ向けの物語としても、すずが一人で立ち向かう展開は必要だったと思います。
ただ、もう少し自然な理由づけが欲しかったかな、って。ただ一人だけ竜の居場所を悟ったすずが、母の行動の源泉を知るために行き先も告げず、強引に単独で向かった、でよかったのではないかと思います。
エンタメなアニメ映画にリアリティを求めすぎるのもアレだけど、虐待父のあっけなさもご都合主義すぎるし、さすがに気になります。
ベル=すずバレし過ぎ!
もうひとつ気になったのは、ベルがすずだってバレすぎだってはなし!
合唱団の面々は百歩譲って気づいててもいいとして、しのぶくん、きみはいくらなんでも気づけないでしょ!
公式HPで「すず=ベルの正体を唯一知るキーパーソン」なんて紹介されてる親友ヒロちゃんのアイデンティティーがなくなっちゃうじゃない!
ヒロちゃんからすずの正体を知る唯一の〜を抜いたらPCの前で高笑いするだけのヤベーやつだよ!
いやね、しのぶくんが「すずがベルでしょ」って言うシーンはとても面白かったからいいんですよ。その前のカミシンとルカちゃんの青春芝居もとてもよかったし。
ただ、やっぱりいくら見守り系幼なじみにしたってベル=すずを見抜くのはちょっとやりすぎ!
もはや見守りを超えてストーカーレベルなのでは?
しかしそれを知ってなお、赤面してしまうすずちゃん。しのぶくんが※イケメンすぎて憤死しそうです。
まとめ:竜とそばかすの姫で浮かんだ疑問点考察
- アンベールの力は大人の事情が生み出した産物か、Uが超放置体勢なのかも!
- すずが一人で虐待現場へ向かったの、物語としては最適解だと思うけど、もうちょっと理由づけが欲しかった
- しのぶくんが ※イケメン
ほかにも竜がいた城やAIたちの正体はいったいなんなのかとか、いろいろ疑問点はあります。
が、ひとつだけハッキリさせておきたいのは、そんな細かいことはどうでもよくなるぐらい、竜とそばかすの姫は素晴らしい映画だってこと。私の書いたことで誤解しないでいただきたい。
あの歌、あの映像、あの演出。忘れられない映画です。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません
日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください(スパム対策)。